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朝晴れエッセー「みかん」

2024年04月13日 | 朝晴れエッセー

 

琵琶湖地球市民の森で

ミツバツツジが咲き始めました

 

少し前の「朝晴れエッセー」ですが

未投稿になっていましたので・・

 

大阪市生野区の杉本佐希子さん(61歳)の

「みかん」を投稿します!

 

🌸🌸🌸

 

いつものスーパーからの帰り道

民家のガレージでみかんを売っているのを見つけた

ビールのケースを重ね白い布で覆い

その上に青いザルにみかんを盛って並べてある

やや大きめのみかんで、ひとつのザルには5個ほど入っている

段ボールで作った看板には

「1盛300円、2盛なら500円、美味しいよ!」と赤い太文字

台の端には鐘の形をした小さな呼び鈴が置いてある

鳴らしてみると、チリンと控えめな音がした

奥から「いらっしゃい」と出てきたのは中年の男性

身体を斜めにして両方の手の平を壁に沿わせながら

ゆっくりと歩いてくる

彼が店頭に着くのを待ち

私は一番大きそうなみかんが入ったカゴを

「これください」と渡した

両手を宙に泳がせるようにして受け取った彼は

白いビニール袋に入れてくれる

あいにく、財布の中に硬貨がなくて千円札を出した

男性は札の表と裏を そっとなでて前掛けのポケットに入れた

その手はなかなか出てこない

「ごめんね、遅くて、見えないものだから」

私はみかんの入った袋を抱え

すっぱい匂いをかぎながらお釣りを待っています

 

 

作者の淡々として情を交えない文章から

映画のワンシーンのように情景が見えてきます

そっと心を揺さぶる作品だと感じました

 

そう遠くない昔

路上(公園の脇の空き地)で

季節の果物を売っているお爺さんを想い出しました

そのお爺さんは

甘夏や八朔など皮が堅くて包丁を入れないと

剥くのが大変なときは、これを使って剥くといいよ、と

鳥の形をした便利グッズを

八朔や甘夏を買う度にくださるのです

その鳥さんは今でも重宝しています

八朔など 買う度にくださるので沢山ありましたが、

5枚くらい残して処分しました

どうして使うかって?

尖った嘴の部分を八朔の縦方向に

何か所か筋を入れるのです

そうすると上手く皮が剥ける優れものなのですよ

 

 

早いですね!

シャガも咲いています