恩師のご著書「講演集」より
講演集、 三
癌を克服し、悟って死を迎えた方の話
先の続き・・・
この体験を通して、病気というものについて学ばせてもらったのです。
ある宗教では、病気は心の影であると説いています。
心の影が肉体に病気として現れているというのも真理だと思います。
しかし、心の影が完全に消えた時、その人の病気は完全に消えたはずです。
それが骨に何の黒いところもないように変わってしまったのです。
そのように心が完全に浄化されますと、どんな病気もみな消えてしまいます。
では、なぜ死んだのか、ということになりますけど、人間は有限のもの、
限りあるもので、その限界を越えたら、いくら病気が治っても、
有限の肉体の命は消えます。
この方と同じ時期に、有名な大僧正と言われるお坊さんが癌にならました。
こんなに偉いお坊さんだったら、「あなたは癌だ」と知らせても大丈夫だと
思って、お医者さんが正直に癌であることを知らせますと、
「わあ、わしは死にとうないんや、死にとうない」と言って、
八十歳のお坊さんが気が狂ったようになって、自殺してしまったというのです。
これは醜いです。
しかも、この世的には大僧正です。
そんな僧職でなくても、僧衣を着ていなくても、又頭に毛が生えていても、
四十半ばで自らを悟って安楽往生された方が現実にあるのです。
~ 感謝・合掌 ~