浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

恩師の歌集「愛」より

父母に大恩受けし我なるに
報いきれなき我が身悲しも

「講演集」より。

2015-05-05 01:24:12 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

        恩師のご著書「講演集」より


            講演集、 三


        今の一瞬の行いと思いを大切に


私たちは自分の心を拠り所として生きたらいいのです。
そして、法を実践することですね。
行うことなく、智識で得たものをどれほど理屈をこねて喋ってみましても、
その行いがなかったら、何のご利益も現れません。
行いの中に、その法の力が現れます。
ものすごく簡単なことです。
笑顔をもって接してみなさい。
忽ちにして、笑顔というその行為によって相手の方に安らぎを与えます。
即、現れます。

その代わりに、怒りの思いをもって接しみなさい。
相手の方が、忽ち怒りの相を現わしてくれます。
毎日の生活で、私たちは人によって苦しめられると思っておりますが、
しかし苦しみの原因は、自分が作ったのです。
人が悪いのとは違います。
地獄に落ちて迷える諸霊方は、自分が原因を作って、
その結果の苦しみが自分に現れているのですが、全部「私が正しい」と主張します。
「私が悪うございました」と言う人は、地獄に落ちていません。
これは、肉体のある私たちにしても同じです。

「ああ、申し訳ないことだった。私は至りませんでした」と言えるような方の心は、
安らいでおります。
「私は正し。私は間違いない。あなたが悪い」と言う人の心は、
地獄界を展開しています。そして、その思いがやがて肉体を去った時、
苦しみの世界へと自ら入っていくのです。
「人は今を生きるものである。過去に生きるものではない。
また未来に生きるものでもない」今現在生きているのです。
今のこの一瞬一瞬に、私たちの人生が展開しているのですね。

今悲しんで苦しめば、この続きが未来の姿です。
そして、今もし悲しい苦しいことがありますと、その元は過去にあるのです。
原因があって、結果が現れているだけですね。
そして今が原因となって、未来が展開します。
だから、今現在がいかに大事かということを知ることですね。
私たちの人生の時間は限られており、しかも過ぎた日は取り返すことは
できないのです。

悲しい、苦しい、辛い、或いは喧嘩して憎い、腹が立つ、
こういう思いをしておりますと、
貴重な今日一日が苦しみの中に消えてしまいます。
もう再び帰りません。
いや、明日もあるわいと思いますが、明日の日もまた消えるのです。
絶対に取り返すことのできないその得難い時を、今生きているのですね。
一瞬一瞬をどれだけ大切にするかです。
泣いて暮しても、一日は過ぎます。
腹を立てて文句を言って暮らしても、一日は過ぎていきます。
同じ取り返すことのできない一日であれば、この一日を喜びに、感謝に、
安らかに過ごせば、私たちの人生を幸せにしていくことができます。


              ~ 感謝・合掌 ~



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする