~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~
第五、 彼岸に至る道の章
7、学生ウパシーヴァの質問
1069、ウパシーヴァさんがたずねた。
「シャカ族の方よ。わたくしは、
独りで他のものにたよることなくして大きな煩悩の激流を
わたるこことはできません。
わたくしがたよってこの激流をわたり得る〈よりどころ〉を
お説き下さい。あまねく見る方よ。」
1070、師(ブッダ)は言われた、
「ウパシーヴァよ。よく気をつけて、無所有をめざしつつ、
『何も存在しない』と思うことによって、煩悩の激流を渡れ。
諸々の欲望を捨てて、諸々の疑惑を離れ、妄執の消滅を昼夜に観ぜよ。」
1071、ウパシーヴァさんがいった、
「あらゆる欲望に対する貪りを離れ、無所有にもとづいて、
その他のものを捨て、最上の〈想いからの解脱〉において解脱した人、
―――かれは退きあともどりすることなく、
そこに安住するでありましょうか?」
~ 感謝・合掌 ~