恩師のご著書「講演集」より
講演集、三
内なる神理、すなわち多宝塔
よい行いとは、人々に喜んでもらうこと、
自分の身の周りの方に喜びを与えることです。
これは誰でも実践できる道です。
寒いのに、池の氷を割ってその中で、「摩訶般若・・・」と唱えても、
護摩を焚いて「ハァー、ヤァー」とやっても、
「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」と
何万回唱えても、何にもなりません。
百回の護摩を焚くよりも、ただ一言の正しい神理を聞くことのほうが、
どれほど価値あるかわかりません。
お釈迦様は、「何日間も食べずに厳しい肉体行をすることよりも、
ただ一言のほんとうの言葉を聞くほうが価値がある」と、
おっしゃっています。
ただ一言の正しい神理を聞くほうが尊いし、またありがたいのです。
私が話していることは、すべて神理です。
そして神理は、ほんとうは外から聞くものではなく、
自分の内から聞くものです。
こうしてお話させていただきますと、お話は無限に湧き上がってきます。
途絶えることはがありません。
汲んでも尽きないように湧く井戸のようなものです。
これを、「パーニャパーラーミータ」すなわち、
「内在された智慧」といいます。
この内なる智慧こそ、ほんとうの神理ですね。
皆さんのお一人お一人の心の内には、神理が詰まっております。
自分の内に、ちゃんと神理が内在され、奥にしまってあるのです。
これを多宝塔とも言います。
仏教でいう多宝塔です。