恩師のご著書「講演集」より
講演集、三
子供は親に目覚めを導く
先の続き・・・
早く寝なさいよ」と言って、
今までの鬼のような心は全く消えてしまいました。
夜も寝ないで、神様に文句を言っていた頃をふりかえりますと、
「なぜ帰ってきてくれないのか、こんな子供に育てたはずはないのに、
なぜこのように私のもとから離れようとするのか」と言う心でした。
この心を追求しますと、これは、地球上の全人類、人間だけではなくて、
動物も植物も共通してみなが持っている心なのです。
それは、「自分にとって都合の悪いものはみな嫌い、
自分にとって都合のよいものはみな好き」という心です。
子供のためを思い、なんとか子供に幸せになってほしい、
間違いなく育ってほしいという強い思いを持って、
親の愛情ゆえに一生懸命に言うのですが、
しかし、言われる子供のほうにしますと、
都合が悪いのです。
「盗人にも三分の理」と言いまして、盗人でも、
こちらが厳しく怒りましたら、文句を言います。
子供も同じことでして、あまり親がやかましく、
子供のためを思って叱ったり文句を言ったりして
言い聞かせましたら、子供にとっては、
都合が悪いのです。