ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『風をつかまえた少年』

2017-12-16 15:58:59 | 
 ガラケーが水没してしまい、電源が入らない・・・。とうとう、スマホに買い替えるか・・・。

『風をつかまえた少年 14歳だったぼくは たったひとりで風力発電をつくった』 ウィリアム・カムクワンバ ブライアン・ミラー作 田口俊樹訳 池上彰解説 文藝春秋
 アフリカの最貧国、マラウイを襲った食糧危機。食べていくために、学費が払えず、ぼくは中学校に行けなくなった。勉強をしたい。本が読みたい。NPOがつくった図書室に通うぼくが出会った一冊の風力発電の本。風車があれば、電気をつくれ、暗闇と空腹から解放される。ウィリアム少年は発電の仕組みを独学し、廃品を集めて作った風車で発電に成功、そこから大きなチャンスをつかんでいく。
 前半がやや冗長。しかし、飢餓のあたりから、一気に読ませる。ウィリアム君の明るさやおちゃめなところ、学びたいという強い欲求。何もなくても廃品から作り出していく創意工夫。ジェフリーやギルバートの支援。どれもすばらしいが、NPOの図書室がなければ、始まらなかったはず。こんなNPOの支援が本当に生きている支援なのだろうな。
 「何かを実現したいと思ったら、まずはトライしてみることだ」という彼の言葉。マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの言葉「もし、飛べないなら、走りなさい。走れないなら、歩きなさい。歩けないなら、這っていきなさい」を引用し、犠牲者ではなくリーダーを生み出す、施しを受けるのではなく自ら変革をもたらすために、前へ進もうとがんばっている人を励まし、よりよい未来を作ろうとする彼の姿勢。きらきらとまぶしく、力強い。
 最貧国への支援のあり方、教育の大切さ、日本の子どもたちの現状などいろいろと考えさせられる本。
コメント
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