ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『病と妖怪 -予言獣アマビエの正体』『自由研究に向かない殺人』

2021-11-25 18:43:52 | 
『病と妖怪 -予言獣アマビエの正体』 東郷隆 インターナショナル新書
 本書ではアマビエをはじめとした予言獣や幸福をよぶ瑞獣などの幻の生物たち(妖怪)を紹介し、流行病や災害と日本人がどのように向き合ってきたか、その際に妖怪とどのような関係を結んで来たのか、江戸から明治に描かれた錦絵や瓦版などから考える。
 予言獣って結構たくさんあるのね・・・。予言獣の姿を写した護符として売るなど商売に使われることも。
 アマビエのような鳥型人魚は、中国や東南アジアにほとんどなく、西洋ぽいとか。麒麟は中国には現れるが、日本には現れないとか。獏が夢を食べるのは日本独自とか。へぇと思うことが多かった。予言の中身が世相を反映しているというのも面白かった。

『自由研究に向かない殺人』 ホリー・ジャクソン 服部京子訳 創元推理文庫
 イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。
 面白かった!このミスや文春ミステリのベストテンに絶対入ると思う。
 犯人が誰なのか?みんな怪しい。でも、おどろおどろしい感じではなく、なんかカラリと明るい感じで進む。
 そして、いろいろと考えさせられた。犯人の家族への大衆が行う仕打ち。見た目からおこるミスリード。心の中に潜む偏見や思い込みが露わにされる。
 この続編があるらしいので翻訳されたら、ぜひ読みたい。
コメント
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