☆第314話『拝啓 ロッキー刑事様』
(1978.8.4.OA/脚本=小川 英&柏原敏之/監督=木下 亮)
小谷早苗(立枝 歩)という女の子が、突然ロッキー(木之元 亮)を訪ねて来ます。恥ずかしそうに手紙を渡し、「またお電話します!」と言って走り去った早苗を、ロッキーはただ呆然と見送るだけ。
毛むくじゃらのくせに隅に置けないヤツめ!とボン(宮内 淳)をはじめ先輩刑事たちはロッキーを冷やかしますが、本人は早苗のことを全く知らないのでした。
彼女の手紙には、栄養学校に通うため地方から上京し、独りぼっちだけど「東京には岩城さんが、七曲署のロッキー刑事さんがいると思うと、ちっとも寂しくありません」なんて書かれており、ちょっと誘えばすぐにチョメチョメ出来そうなんだけど、ロッキーはそれよりも1週間前に遺体で発見された女性の身元を調べる捜査に夢中なのでした。生きた女の子より死んだ見知らぬ女に執着するド変態なんですw
で、ようやくその女性が岡山から上京したOLであることが判明し、山さん(露口 茂)が岡山へ飛んで実家の部屋を調べてみたら、なんと東京の「松永信夫方 岩城 創」から届いた手紙があるもんだから驚いた! 「岩城創」はロッキーの本名です。
松永信夫(佐藤晴道)というのは以前チンピラに絡まれてるところをロッキーに救われたスナックのボーイで、なぜかそいつがロッキーの名を語って(刑事になりすまして)数人の女の子と文通してた。ロッキーを訪ねて来た早苗もその1人だったワケです。
松永が顔も知らない女の子たちと文通できたのは、ペンフレンド募集の雑誌を見たから。当時は個人の氏名・年齢・住所・電話番号に至るまで、普通に一般誌で公開されてたんですよね。私も中学生の頃にそれで女の子と文通した経験があります。
そんなに緩い時代だったの!?って若い世代は驚くかも知れないけど、相手の住所も知らないままSNSで繋がっちゃう現在の方が、よっぽど緩くて危険かも知れません。
で、死んだOLは直前に二百万円の預金を引き出しており、そのカネ目当てで松永が彼女を殺した可能性がある。
ロッキーは手がかりを得るため、早苗と会って文通の内容をそれとなく尋ねるんだけど、それを書いたのが自分じゃないっていう事実を言いそびれちゃう。あわよくばチョメチョメしたい下心があったからでしょう。
ところが、松永信夫が溺死体で発見されて事件は急転直下。松永がロッキーになりすまして文通してたのは、単に自分に自信が無かったからであることも分かり、OLを殺した真犯人が松永を利用していたと睨む藤堂チームは、彼が勤めてたスナックのもう1人のボーイに容疑を絞ります。
で、婦警をオトリにして罠を仕掛けるも、実はマスター(矢吹 渡)が真犯人だったことが判明し、間一髪、マスターに命を狙われた早苗を、ロッキーが捨て身で救うという展開になります。
画像だけ見ると逆にロッキーが早苗を襲ってるように錯覚しますが、それは印象操作の恐ろしさを皆さんに伝えるために、私がやむなく順番を入れ換えた結果です。あんな毛むくじゃらの大男に万が一でくわしたら、逃げたり眼をそらしたりせずじっとしといた方が安全です。
そんなワケで事件は解決し、早苗は田舎へ帰ることになるんだけど、やや複雑な謎解きに時間を割きすぎてロッキーと早苗の交流が充分に描かれておらず、別れのシーンがいまいち盛り上がらないのが残念なところ。
ただ、彼女を見送るロッキーの表情には切なさが滲んでて、私はグッときました。登場して間もない頃のエピソード#272『秘密』では表情が硬すぎる!ってイチャモン書きましたが、約1年経った今回の演技に俳優・木之元亮さんの著しい成長を(偉そうな書き方だけど)私は見た気がします。
立枝歩さんは今回3度目のご出演で、後にボギー(世良公則)登場編でもヒロインを演じられた常連ゲスト。グラビアモデルの仕事は一切されてなかったようで、最後の画像=『新幹線公安官』で見られた水着姿は唯一無二かも知れません。