木村理恵さんの女優デビューは1973年、フジテレビ系列でフォーリーブスや大竹しのぶさんが出ておられた連ドラ『ボクは女学生』で、監督は『太陽にほえろ!』でアッコの卒業エピソードとなる#322も撮られた児玉進さん。
ヌード&濡れ場が話題になった主演作『暗室』('83) などの映画や舞台、バラエティー番組にも出演されてますが、主戦場はTVドラマ。
その中でも『太陽にほえろ!』の三代目マスコットガール「アッコ」こと矢島明子役は、その出演期間('75~'78)が番組の全盛期と丸かぶりしてることもあり、間違いなく最も世間に認知された役で、もはや代表作を通り越して理恵さんの分身と言っても過言じゃないかも知れません。
歴代マスコットガールの中でも理恵さんの演技力はずば抜けており、出番は少なくても確実に作品のクオリティーを底上げし、視聴率アップにも貢献されてたんじゃないでしょうか?
『太陽~』だけに限らず、昭和の刑事ドラマに数多おられた内勤員の中でも、人気ナンバーワンは間違いなくアッコでしょう。と言うより、刑事ドラマの「お茶くみ」で誰が印象に残ってるか尋ねられて、多くの人が顔と名前を思い浮かべるのは、たぶんアッコしかいないんじゃないかと思います。
それだけ強く印象に残ったことは、女優・木村理恵さんにとってはマイナス面も少なからずあったかも知れません。『太陽~』以外にもたくさん出演作があるのに、どこへ行っても「アッコ」と呼ばれたりするジレンマは長寿番組、人気番組ならではの「あるある」で、山さんやゴリさんたちも大いに悩まされた事でしょう。
何はともあれ、#322は長さん編でありながらアッコの最終回っていう印象の方が強く、ゲストの結城しのぶさんはちょっと気の毒だったかも知れません。
それだけ、木村理恵さんの存在は大きかった。藤堂チームのコワモテ刑事たちの切ない表情にも、それが如実に表れてましたね。