2008年春に東映系で公開された『仮面ライダー電王』の劇場版第2弾で、当時放映中だった『仮面ライダーキバ』とのコラボ作品。
平成ライダーシリーズは基本的に1本1本が独立した世界観で繋がりが無いんだけど、今回をきっかけに劇場版ではコラボが定番化し、昭和ライダーやスーパー戦隊シリーズとのクロスオーバーまで実現していく事になります。
仮面ライダー電王に変身する主人公=野上良太郎に扮したのは、今やすっかり主演級スターの佐藤健くん。仮面ライダーキバの瀬戸康史くんとの共演は今のところ本作が唯一じゃないかと思われます。
もちろん、このブログで取り上げたのは『~アギト』に続いて『~電王』にもレギュラー出演されてた、オシリーナこと秋山莉奈さんと、『~キバ』のヒロインであるコイケリーナこと小池里奈さんという、我々オシリストには見逃せないお二人が共演されてるから。(残念ながら出番は別々だったけど)
その割りに今回のセクシーお尻ショットはオシリーナでもコイケリーナでもなく、野上良太郎の姉=愛理を演じられた松本若菜さん。ライダーシリーズはセクシーお尻の宝庫なんです。
さて、お尻はともかく映画の内容ですが……
平成ライダーシリーズも『電王』で8作目となり、2作目の『アギト』から約6年を経て随分と様変わりしました。
『アギト』の時点で仮面ライダーが3人いたワケですが、この『電王』まで来ると登場キャラクターがあまりに多すぎてガチャガチャしてるしテンポは早すぎるしで、もはや昭和世代はついて行けませんw
どうやら人間に憑依する能力を持った侵略者「イマジン」たちの中にも味方が数人いて、仮面ライダー電王も味方のイマジンに憑依されることによって強くなり、個性豊かなイマジン達のうち誰が憑依するかによって性格まで変わっちゃう。
……っていう設定を事前に知らなければ何が何だかワケが分からず、いちげんさんは完全に置いてけぼり。最近のライダー映画はだいたいそうですよね。
基本的にTVシリーズのファンを対象に創られた映画だからそれで構わないんだけど、例えば前回レビューしたアギトの『PROJECT G4』みたいに、独立したSFアクション映画として誰でも楽しめるような普遍性が無いのは残念に思います。
そこには眼をつむっても、やっぱりTVゲーム的な内容や商品展開ありきの変身グッズ、ホストクラブ的なキャスティング、それら全部ひっくるめてポップすぎる世界観など、昭和世代には馴染めない要素があまりに多く、もはや我々は「対象外」になったことを痛感させられます。そりゃもう孫がいてもおかしくない年齢だから当たり前なんだけどw
なので、そこを批判するのは全くのピント外れ。現在の特撮ヒーロー物はそういうもんだっていう前提で、その中でもこれは斬新だとかオシャレだとかで評価するしかない。
私個人としては、味方のイマジンたちがもし人間の姿をしていたら、チームで戦うスーパー戦隊シリーズとあまり変わんないような気がして、これはもはや仮面ライダーとは言えないのでは?っていうのが正直な感想。時空を行ったり来たりする「電車」を舞台にした世界観もかなりスーパー戦隊シリーズに寄ってると私は感じました。
だけど、それはそれ、時代の流れとして受け止めれば、その変わりようこそが面白いとも言えます。なぜ仮面ライダーまでもがポップにならざるを得ないのか、今の子供たちがヒーローに何を求めてるのか、それを分析しながら観るのも一興かも知れません。
とはいえ、世界中の老若男女を夢中にさせたアメコミヒーローの映画群に比べて、日本のヒーロー物(に限らず全ての映画もTVドラマも)は観客層を限定しすぎなんじゃない?とも思います。
2020年、米国アカデミー賞で韓国映画がついに作品賞を獲ってしまい、日本の映画人たちは大いに嫉妬してるそうだけど、そりゃ最初からワールドワイドな作品創りをしてないんだから出し抜かれて当然です。
あまりに「いちげんさんお断り」な最近のライダー映画に、そういった問題点が集約されてるような気がします。そこを批判するのはピント外れだと言いながら、あまりに目先の商売しか考えてないように見える製作姿勢には、やっぱり疑問を感じずにはいられません。