メディアでは主に『西部警察』の映像や写真が使われるでしょうから、ここではあえて『太陽にほえろ!』出演時(1986年)の画像を使わせて頂きます。
奇しくも、ちょうど『西部警察』の幕開けをここで振り返ったその日に、渡哲也さんの訃報が飛び込んで来てしまいました。享年78、肺炎だったそうです。
最近、お姿を拝見してなかったので、もしかしたら……とは思ってました。でも、まさかこのタイミングで……
今回載っけた画像を見ると、石原裕次郎さんも、地井武男さんも、又野誠治さんもすでに逝かれてることをあらためて思い出し、なんとも言えない気持ちになります。
渡さんって、裕次郎さんだけじゃなく地井さんともかなり仲良しだったそうで、きっと今ごろ再会を喜び合っておられるんじゃないでしょうか。いやホント、もしあの世があるとするならば、今のこの世にいるよりよっぽど居心地良いかも知れません。
いい歳して俺はいつまでショットガンを振り回してんだ?なんてウンザリしながらも、石原プロ存続のために団長を演じ続けて下さった渡さん。
裕次郎さんが倒れた時には代理ボスとして『太陽にほえろ!』を救って下さった渡さん。
復活版『西部警察』で事故が起こった時、あらゆる責任者たちが模範にすべき謝罪のあり方を、ごく自然に示して下さった渡さん。
本来ならもっとワガママに、自分の演じたい役だけを演じられた筈の大スターなのに、いつも他の誰かのために働き、その生涯を捧げて来られた渡さん。
そんな生き方、とても出来るもんじゃありません。だからこそ松田優作さんや舘ひろしさんといったカリスマたちが酔いしれたんですよね。
「団長の為なら喜んで死ねる」なんて台詞、私は「気持ち悪い」って書いちゃいましたけどw、あれも団長=渡哲也さんだからこそ軍団の皆さんが照れずに言えた。もし団長がムロツヨシさんじゃギャグにしかなりませんw
団長、お疲れさまでした。本当に有難うございました!
☆第2話『無防備都市―後編―』
(1979.10.21.OA/脚本=永原秀一/監督=渡辺拓也)
日テレの『大都会』シリーズからテレ朝の『西部警察』へとバトンが託されて、放映局とタイトルが変わった以外にも2つの大きな変化があったように思います。
1つは、登場人物たちが影を背負わなくなって世界観がポップになったこと。それを象徴するのが大門団長(渡 哲也)とその妹=明子(古手川祐子)の関係で、二人が同居するマンションがやけにオシャレで高級そうなのはちょっとした衝撃でした。
『大都会』シリーズで仁科明子さんが演じた妹は、兄=黒岩を恨むヤクザたちに輪姦された暗い過去を背負い、黒岩もその負い目を引きずってるという非常にシリアスな関係でした。
それがパート2以降は無かったことにされ、『西部警察』まで行くと影という影がいっさい排除されて、いつも「アニキ!」と団長の世話を焼く明子に悩みがあるとするならば、漫画のネタが浮かばないとかアニキがろくに着替えないといった『サザエさん』チックなものばかり。放映時間帯が夜9時台から8時台になった影響もあるだろうけど、やっぱり'80年代を目前にした社会の空気がそうさせたんだろうと思います。
そしてもう1つの変化は、刑事たちがより一枚岩になって「軍団」色が強くなったこと。「団長」っていう呼称が使われ始めたのも『西部~』からだし、『大都会』シリーズの刑事たちは「団長の為なら喜んで死ねる」なんて気持ち悪い台詞は吐かなかった筈です。
その徹底した「ワンチーム」精神は、この第2話で団長の指揮の下、おやっさん(藤岡重慶)までもが泥まみれ&油まみれになりながら装甲車と格闘する、軍団全員の姿からヒシヒシと伝わって来ます。
エンディングも『大都会』シリーズでは渡さんの独り歩きだったのが、『西部~』になると軍団全員のいわゆる「Gメン歩き」が恒例となり、あくまで全員が主役……というより全員が揃って1つなんだっていう固い絆が強調されて、気持ち悪いですw
良くも悪くも、そこが『大都会』シリーズとは似て非なる『西部警察』シリーズ最大の特徴で、それがそのまま石原プロモーションに対して我々が抱くイメージになったように思います。
東宝制作の『太陽にほえろ!』もチームワークを重んじてはいたけど、ここまでの一体感は無かったですよね。というか、数多ある集団物刑事ドラマの中でも『西部警察』シリーズがオンリーワンかも知れません。
セクシーショットは今回も古手川祐子さんですが、西部署捜査課の事務員さん=レイコ(布目ゆう子)のブラジャー透け透けのセーター姿がなにげにエロいので、画像を載っけときます。