もう、絶句するしかありません。『西部警察』をレビューしたら渡哲也さんが、そして『あさひが丘の大統領』をレビューしたら、今度は宮内淳さんが……!
8月17日に、直腸癌で亡くなられたんだそうです。享年70。ご冥福をお祈りいたします。
私は『太陽にほえろ!』マニアであり、中でも一番好きだったキャラクターがボンボン刑事なので、宮内淳さんに関してはこのブログで語り尽くした感があります。前述のとおりつい最近も、今さら誰も語らないハンソク先生 in『あさひが丘の大統領』をさんざん語ったばかりです。
そういう意味でも何も言えない、絶句するしかありません。ショーケンさんが亡くなられた時だったか、これから我々世代のヒーローがどんどん逝かれることを覚悟しなくちゃいけないって書いた記憶があるけど、ここまで矢継ぎ早だとホントに言葉を失いますね。
ただ、宮内さんの話題で1つだけ今まで書かなかったことがあって、それは1年ちょっと前に出版された宮内さんの著書「『あの世』が教えてくれた人生の歩き方」についてのこと。
当然ながら『太陽にほえろ!』の裏話や、芸能界から身を引かれたいきさつ、『警視―K』へのレギュラー出演を打診されながら主役の勝新太郎さんとウマが合わなくて流れちゃった話など、ミーハー的に興味深い話が満載でよっぽどレビューしようかと思いました。
けど、メインはタイトル通りかなりスピリチュアルなお話で、例えばお母さんが亡くなってから身の回りで不思議な出来事が頻発し、それが「あの世」にいるお母さんからのメッセージだと気づいたら全て腑に落ちたという、映画『インターステラ―』(あれは死後の世界じゃなく異次元からのメッセージだけど)を彷彿させるエピソード。
さらに「あの世」と「この世」は「へその緒」でつながってるとか、ご先祖に「良質な愛のエネルギー」を送れば我々の人生を応援してくれる、といったような話が続き、例えば石原裕次郎さんや勝新太郎さんを語る際にも「根っから明るい彼らは、へその緒を通してあの世から応援を受けていた」みたいな話になって、私自身はスピリチュアルに対して抵抗が無いから平気だけど、きっと胡散臭く感じる人も沢山いるだろうと思い、レビューするのを思いとどまった次第です。
だけど宮内さんは別に、教祖にでもなって金儲けしようなんて考えられたワケじゃなく、純粋にそれを信じて多くの人々に「明るく生きてご先祖を喜ばせよう」っていうメッセージを伝えたかっただけだと思うので、私は決して否定しません。
ただ、否定はしないけど、ネットを通じて私がそれを発信するのはお門違いじゃないかと、その時はそこまで考えなかったけど、漠然と感じたから書くのをやめたんだと思います。
もしかするとこの著書の存在を知らなかったファンの方もおられるでしょうから、スピリチュアルに対する抵抗がよっぽど強くなければ是非ご一読をと、この機会にオススメしておきます。
宮内さんは私生活をいっさい語られて来なかったので、結婚されたかどうかも謎のままだったけど、これを読んで奥さんがおられることだけは判明しましたw
……とまあ、言葉を失うと書いておきながらけっこう語っちゃいました。凹んでても仕方がない、明るく生きてご先祖に愛のエネルギーを送らなきゃ!って、茶化しちゃいけないけど、宮内さんのメッセージはそういうことだろう(だから『静かに送って欲しい』『悲しまないで欲しい』と言い遺された)と思うので、暗い話はやめときました。