2009年の春シーズン、フジテレビ系列の木曜夜10時枠で全11話が放映された刑事ドラマ。2011年春にも2ndシーズン全11話が放映されてます。
警視庁に新設された「特別犯罪対策室」に赴任する、アメリカ帰りのキャリア室長=大澤絵里子、人呼んで「ボス」に、天海祐希。
その部下に戸田恵梨香、玉山鉄二、溝端淳平、ケンドーコバヤシ、温水洋一。刑事部のキャリアに竹野内豊、光石研、相島一之。科捜研の女に吉瀬美智子。捜査第一課13係の刑事に塩見三省、長谷川博己と、実にゴージャスなキャスティング。
2ndシーズンでは戸田さんに代わり長谷川京子さんがチームに加入するほか、成海璃子、西田敏行、大森南朋、木南晴夏etc…といったキャストが登場します。
天海祐希さんの重厚さと軽妙さを兼ね備えたボスっぷりは勿論、戸田恵梨香さんの美しさと初々しさも光ってましたね。自閉症チックなキャラクターにも抜群の存在感があり、眼を惹かれます。
とにかく刑事ドラマのキャスティングがすっかり地味になっちゃった現状を思うと、これだけのメンツを揃えてくれただけで「素晴らしい」と言わざるを得ません。武田鉄矢さんや反町隆史さんなどゲストの顔ぶれも豪華でした。
刑事物はやっぱり、スターを揃えてナンボです。やる事はどうせ似たり寄ったりなんだから、如何にスターの個性を活かして格好良く見せるか、そこに全力を注ぐべきなんです。謎解きなんかホントどーでもいい!
だから放映当時、私はこのドラマに大ハマり……するかと思いきや、実は全然好きになれませんでした。今あらためて観てもやっぱり好きになれませんm(__)m
人物描写は薄っぺらいし、落ち着きの無いカメラワーク&カッティング(当時の流行り)も鬱陶しいし、何より笑いのセンスが気に入らない。温水洋一さん扮する山村刑事が「落としの山さん」と呼ばれる理由を「よく落とし物をするから」だとするギャグの幼稚さには辟易したし、何の罪もない温水さんに殺意さえ覚えましたw
偏見かも知れないけど、如何にもゲーム世代、インターネット世代が作った刑事ドラマのように私は感じました。全てにおいて、何かが微妙に違うんですね、私が愛する刑事ドラマとは。刑事という職業を扱った、全然違うジャンルのドラマみたい。
でも、それは言い換えれば新しいって事だし、若い世代に観てもらう為の工夫と捉えれば、決して軽んじることは出来ません。
実際ヒットして刑事ドラマの可能性を広げてくれましたから、そこは素直に感謝しなくちゃいけません。年配層しか観ないジャンルになっちゃったら、質がいくら高くても未来は無いですから。
よくも悪くもなんちゃってお仕事ドラマみたいなのが得意みたいで、「BOSS」に関しては軽佻浮薄なCX臭が前面に出た印象ですかね。
CXの「ダブルスコア」「アンフェア」「シバトラ」「東京dogs」「ビターブラッド」などのなんちゃって刑事ドラマの脈々と受け継がれた系譜を受け継いでいて真逆に関心しました。
本当に面白い刑事ドラマは、どれも過去の名作に敬意を払ってます。そういう姿勢が無いからフジテレビは凋落したんだろうと私は思います。
まあ、そんなことは撮影に駆り出される側としては知ったことではなくて、「BOSS 2」あたりでは東日本大震災の影響をモロに受けて現場は混乱してたなあ…と、先程の地震騒動で思い出しました。