『ランボー/ラスト・ブラッド』のレビューをきっかけに、'80~'90年代のポリスアクション映画をバディ物を中心に振り返って来ましたが、この作品でいったん締めくくりたいと思います。
2014年に公開された、パトリック・ヒューズ監督によるアメリカ映画。スタローン先生がかつての仲間でありライバルだったアクションスター達を片っ端から集め、アナログアクション路線を復活させたシリーズの第3弾にして、今のところ最終作です。
ハリウッドアクションが最も元気だった’80年代、私が夢中になったのは『インディアナ・ジョーンズ』シリーズと『リーサル・ウェポン』シリーズでした。
もちろんシルベスター・スタローンやアーノルド・シュワルツェネッガー、ブルース・ウィリスの主演作もほとんど観てましたから、彼らが夢の共演を果たした『エクスペンダブルズ』は1作目も2作目も多いに楽しめました。
けど、やっぱり『インディ~』のハリソン・フォードと『リーサル~』のメル・ギブソンがいなければ、私にとって真の「夢の共演」とは言えません。それは多分、いくらなんでも無理だろうと思ってたのですが……
意外とアッサリ(?)、その夢は叶いました。メルはいずれ出るだろう、それも悪役でって予想はしてましたが、まさかハリソンまで参戦するとは!
なにしろ「アクションスター」のレッテルを貼られるのを嫌がってた人だし、今でも現役でメジャー映画に出続けてる人ですから、消耗品呼ばわりは(この映画じゃ最年長なんだけどw)まだ早いと私は思ってました。
しばらくヒット作が無いから、お金と人気回復の為だろ?なんて穿った見方をする人もいるかも知れないけど、『インディ~』第5弾も控えてる事だし、今更そんなもんに執着は無いでしょう。
何にせよ、ハリソンがスタローン先生やシュワちゃんと組んでメルギブと戦うなんて、あり得なさ過ぎて妄想すらしてませんでした。本当に、メチャクチャ嬉しい!
更にお馴染みのジェイソン・ステイサムやドルフ・ラングレン、ジェット・リーらが顔を揃え、ウェズリー・スナイプスにアントニオ・バンデラスまで新たに参戦、若手メンバー達も加わって、もう何がなんだか分かりませんw
冒頭、毎度の事ですが派手なドンパチアクションで幕が上がります。チーム・エクスペンダブルズ創立メンバーの1人だったウェズリー・スナイプスを、刑務所から奪還するファースト・ミッション。
彼が犯した罪は脱税w スタローン隊長と親交のあったスナイプスが今までシリーズに参加出来なかったのは、現実に脱税で逮捕されちゃったからなんですよねw 出演スター達の経歴が、こうして笑いのネタにされるのも本シリーズのお約束です。
スナイプス奪還に成功したエクスペンダブルズは、その足でセカンド・ミッション=闇の犯罪組織のボス暗殺に取り掛かります。そして怪しいブツの取引現場に現れたボスの顔を見て、スタローン隊長とスナイプスが驚いた!
そのボスもエクスペンダブルズ創立メンバーの1人で、ダークサイドに陥った為にスタローン隊長に射殺された筈の、メル・ギブソンなのでした。
隊長があまりに動揺した為に暗殺は失敗し、メルボスはわざと隊長を殺さず、黒人メンバーを狙い撃ちして瀕死の重傷を負わせます。これも恐らく、メルが人種差別発言で度々スキャンダルを起こしてる事が反映されてるかも?
失意のスタローン隊長の前に、我らがハリソン・フォードがいよいよ登場します。高額ギャラを要求したせいで隊長から「キミはクビ。乳首」とお払い箱にされた(と噂される)ブルース・ウィリスに代わる、CIAのエージェントがハリソンの役どころです。
クールなエージェント・ハリソンは隊長に忠告します。老兵集団じゃとてもメルボスには勝てないぞと。自分のミスで仲間を瀕死にさせちゃったばかりで、さすがのスタローン隊長も返す言葉がありません。
インディとランボーのツーショットが大スクリーンに映るだけで、私は鳥肌が立つと同時に目頭が熱くなりました。CIAエージェント役って事はシリーズのレギュラー出演が決まったも同然で、私はウィリスさんに感謝しなくちゃいけません。(続きがあればの話だけど)
ハリソンはそんなウィリスさんの事を「あいつの出番はもう無い」って、冷淡に言い放ってましたけどw (あくまで台詞です。製作陣の本音を代弁されたんでしょう)
隊長はハリソンの忠告が身に沁みたのか、悩んだ挙げ句にメンバーを集めて「キミたち全員、クビ。乳首」と解散宣言。そりゃないぜ!と食い下がる仲間たちに背を向け、伊藤ハムをかじりながら独り隊長は去って行きます。
そこからは『七人の侍』よろしく、新メンバーのスカウトに奔走するスタローン隊長。そして、イキのいい若者たちの中で1人、年齢を偽って立候補して来たのがアントニオ・バンデラス。
この人がいかにもラテン系キャラで、柳沢慎吾さんにも劣らぬマシンガントーク。やる気は満々なんだけど、歳は食ってるし下らないことを喋り過ぎるんで、隊長から「まだ雇ってないけど、クビ。乳首」って言われちゃう。(それでも諦めず、最終的には仲間入りします)
かくして若手メンバーだけで固めた新生エクスペンダブルズでメルボスを一旦は捕獲するんだけど、一枚上手だった敵組織の逆襲により、若手メンバーらが逆に捕らわれちゃう。
使い捨てのつもりで雇った筈の若者たちが見捨てられないスタローン隊長は、死ぬ覚悟で初心(ランボー)に戻り、たった独りで人質奪還に向かおうとするのですが……
その後の展開は、書かなくても分かりますよねw 分かってても熱くなっちゃうのがヒーローアクションの醍醐味なんです!
そしてスタローン隊長があわや殺られちゃう!って所で、自らヘリを操縦して駆けつけるのが、我らがハリソン機長ですよ!(ハリソンが趣味で自家用ヘリを操縦し、人命救助までした事があるのは有名な話です)
しかも、そのヘリの後部座席にはシュワルツェネッガーとジェット・リーが乗っている! 「映画秘宝」のライターさんが「まるでハン・ソロ船長がチューバッカとR2-D2を連れて来たみたい」って書かれてましたけど、言い得て妙ですよねw
そう、今回のハリソンはインディというより『スター・ウォーズ』のハン・ソロで、華麗な操縦テクによるヘリコプター・バトルという、独自の見せ場が用意されてて私は嬉しかったです。
とにかくメンバーが増え過ぎてゴチャゴチャしちゃってるし、ジェット・リーの出番が少なくてカンフーを使わずじまいだし、スタローン隊長vsメルボスの一騎打ちが意外とあっけなかったり等、不満点は色々あります。
だけど、この映画はあくまでお祭りだし、これだけBIGスターを勢揃いさせたら散漫になって当たり前。にも関わらず、ちゃんと燃える展開の群像アクションとして成立させてるんだから、パトリック・ヒューズ監督の采配は見事だったと言えるんじゃないでしょうか?
いやぁ~、ホント楽しかったです。観た後には見事に何も残らないけどw、お祭りなんだからそれで良いのです。ハリソンも劇中で「久々に楽しかったよ」って言ってたし、そんなハリソンの活き活きした姿を、メルギブやスタローン達と同時に観られて、こんなに幸せな事はありません。
第4弾にはピアース・ブロスナンやハルク・ホーガンが登場すると噂されたけど、残念なことに言い出しっぺのスタローン隊長が離脱し、頓挫しちゃいました。さんざん噂されたジャッキー・チェン氏の登場はまだ実現してないし、真打ちクリント・イーストウッド御大にも出て頂きたいし、是非またやって欲しいですよね。
三浦春馬の自殺がショック過ぎて、コメント入れてしまいました
やっぱり多部さんに振られたせいですかね
ただ、かなりストイックな人だというのは分かっていたので、全く解らなくはない、と思ったりもします。人柄が良すぎたのかも知れませんね。(多部ちゃんにフラれたという話も初耳ですが、それはたぶん関係ないと思います)
合掌。