2019年春シーズン、テレビ朝日系列の木曜夜8時「木曜ミステリー」枠でスタートした、人気シリーズの第19弾。
1999年からスタートし、今年は番組20周年&テレビ朝日開局60周年の節目って事で、なんと1年間の連続放映が決定! この世知辛いご時世のなか、いかに安定した人気と視聴率が約束された番組かっていう証明ですよね。
その人気の秘密を私なりに考察すると、まず1つにはキャラクターたちの等身大の魅力が挙げられると思います。沢口靖子さん演じる法医研究員=榊マリコは優等生だしちょっと浮世離れした感じはあるけど、決して飛び抜けた天才でもなければ変人でもない。
ひとりの天才(たいてい変人)が特殊能力で事件の謎を解くんじゃなくて、科学捜査のプロフェッショナルたちが地道な作業を積み重ねて真実へと辿り着く、つまり我々視聴者と変わらない普通の人たちが、努力して成果を掴みとる物語。老若男女、誰が観ても共感出来るはずです。
そして不快な人物がひとりも出てこない、その居心地の良さ。警察組織内の対立だの陰謀だのはいっさい描かないし、主人公をむやみに目の敵にするような輩も登場しない。番組初期は違ってたみたいだけど、長年やってる内にそういう無駄がどんどん削がれていったんだろうと思います。
今回は檀れい扮する科学警察研究所の女性主任、すなわち「科警研の女」が登場し、マリコらの鑑定と推理にことごとく異を唱えるんだけど、ちゃんと筋が通ってるし、自分の間違いに気づけば素直に謝る好人物として描かれてました。
この作品を観てると、他の刑事ドラマがいかに余計な描写や無駄なキャラクターで尺を浪費してるかがよく判ります。ただ捜査をして事件を解決する。それだけでちゃんと面白いドラマになるんですよね。
もちろん、それには優れた脚本と魅力的なキャラクター、そしてキャストの存在が欠かせません。実直な沢口靖子さんの魅力を最大限に活かすべく、一見地味だけど確かな実力を持つバイプレーヤーたちが彼女をもり立ててます。
それと私が特に好きなのが、絶妙なさじ加減による独特なユーモア感覚。誰ひとりとしてフザケてないのに、そこはかとなく可笑しいという大人の笑い。
そのユーモアをさらに進化させたのが、姉妹番組とも言えそうな『警視庁捜査一課長』シリーズで、主演はこの『科捜研~』シリーズにも土門刑事役でレギュラー出演されてる内藤剛志さん。
で、『科捜研~』で内藤さんの上司を演じてる金田明夫さんが、『~捜査一課長』では内藤さんの部下を演じてるw 物凄くマジメな番組なのにそういうお遊びが随所に隠されてて、それを我々が見つけていく楽しさがあるんですよね。しっかり観てる人にだけ分かる、けど別に分からなくても本筋には影響しないという。
そういうお遊びは他の番組でもやってる事ではあるけど、特にこの両番組のユーモアには品があるというか、オトナの味わいがあって私は好きです。
そう、抜群の安定感と、この品の良さが『科捜研の女』シリーズ最大の魅力であり、長く広く愛されてる秘訣なんだろうと思います。
セクシー画像は、京都の舞妓さんにして真犯人の役を演じた、片山萌美さん。グラビアアイドル出身だけど舞台演劇にも数多く出演されており、今後の活躍が期待できる女優さんの1人です。
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