ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「なんて世の中だ! いや、これでいいのだ。……いいのかな?」

2019-10-14 12:30:23 | 日記
 
50年以上も生きてると、ちょっとやそっとの事じゃ驚かなくなります。自然災害による被害のニュースには胸が痛むし「明日は我が身」って思うけど、もはや驚きに関しては麻痺しつつあるのが正直なところ。

そんな昨今、日曜日の『ワイドナショー』っていう番組で紹介された携帯アプリ「ゼンリー」の存在と、それが若い世代(主に女子高生)の間で大流行してるっていう現実には、久々に驚愕したし背筋が寒くもなりました。

世の中は、そして人間の価値観は、ここまで理解不可能なほど変わってしまったのか?と。いや、実際は今に始まった事じゃなく、技術が人間本来の願望を満たせるようになっただけの話? だとしたら尚更そら恐ろしいぞ、と。

「ゼンリー」っていうアプリをスマートフォンにダウンロードし、友達や家族とグループで登録したら、なんとそのメンバー全員の現在地や滞在時間を、メンバー全員にリアルタイムで教えてくれるらしい!

えーーーーっ!? 何それ????

ちんぴょろすっぽーーーーんっ!!

ばびでぶぅーーーーっ!!

そんな恐ろしいアプリを、高校生の半数以上が利用してるという恐ろしい現実を、当の高校生たちがニコニコ笑いながら語ってる姿を見て、私は気づかない内に別の惑星にワープ移動したか、あるいはみんな宇宙人に洗脳されちゃったのか、とにかく自分とは全く違う価値観を持った民族がどんどん増殖してることに心底驚きました。

まず、そんなものを共有して一体何が楽しいのかが解らないし、それより何より、自分の行動を24時間、複数の他人にチェックされちゃう事をなぜイヤと思わないのか、なぜ怖いと思わないのかが全く理解出来ません。

「待ち合わせ等で相手の居場所がすぐに分かるから便利」「子供に持たせると親が安心」とか言われると、そもそも皆がケータイ持ってるだけで連絡はつくしGPSもあるし、充分と違うの?って思うけど、まぁ利便性を究極まで追求するとそうなるのかと、ギリギリ解らなくもありません。

けど「お互いに繋がってる感がある」からイイって言われると、私は引いてしまいます。そこまでして誰かと四六時中、繋がっていたいの?って。そんなに孤独が怖くて怖くて仕方ないの?って。

そう思うのは私がオッサンだから?って考えてみたけど、いやいや、仮に自分の高校時代にこんな物があったとしても、絶対に参加したくないです。自分がいつ、どこに何時間いたとか、いくら友達や家族が相手でも把握されたくない。死んでもイヤです。怖いし気持ち悪い!

さらに「ゼンリー」には、誰が誰とどれくらいの時間一緒にいたかをカウントし、集計して、仲良し度をランキング表示する機能までついてるそうです。そんなことを知って一体、何がどうなると言うのか? 怖い! 気持ち悪い!

当然、仲間どうしでも行動を知られたくない場合があるワケで、そういう時には発信を一時的に停止する「ゴースト機能」を使ったり、あるいはお母さんにスマホを預けてオトリになってもらうんだそうです。なんじゃ、そりゃ……

「スパイごっこ」みたいな楽しさがあったりするのかなぁ? カレシの浮気チェックにも使えるとか言うけど、居場所を把握されてると分かってて浮気するバカがいるんでしょうか? カレシからすりゃアリバイ工作に使えて逆に便利なのでは?

考えれば考えるほどアホらしく、ただただ気持ち悪いです。そうやって互いを監視し合い、縛り合い、時には欺き合ってまでキープしたい、いや、しなきゃならない「繋がり」って、本当に繋がってると言えるんですかね? 異常です。病的です。

……って、ここまで書いて来て、ふと気づいてしまったのですが……

私がそれを異常だ、病的だと感じるのは、たぶん、携帯電話もインターネットも存在しない時代に育ったからなんですよね。

生まれた時からそういう物に囲まれて来た今の若い世代は、常に誰かと繋がってる状態こそが普通であり、繋がってないのは異常なのかも知れません。

私らの世代はいま何時何分頃か常に分かってないと不安だけど、腕時計も無かった時代の人たちはそれが当たり前だったワケで、しょっちゅう時間を気にしてる我々の姿は異常に見えるかも知れません。私は家にテレビが無い人生が想像出来ないけど、私の親はそれが存在しない時代に育ったワケで……

そう考えると、これも自然な流れなのかも知れません。人は独りじゃ生きていけないって現実は認めざるを得ないし、だったら常に誰かと繋がってるに越したことはない。不安は少ない方がいいに決まってます。

そんなワケで、最初「なんて世の中だ!」って書いたタイトルに「いや、これでいいのだ」って、後から書き足した次第ですw

でも、本当にいいのかなぁ……? 人間のメンタルがあまりに弱くなり過ぎて、やっぱり破滅が近いんじゃないかと、私は思わずにいられません。そういうクセがついてるもんで。

☆追記
その日の食事や外出先を写メしていちいちSNSにアップする人が大勢いますが、それも私には理解できません。たぶん自分が美味しいものを食べたりあちこち出掛けてることを自慢したいのだろうと思いますが、それでいったい何が得られるのかサッパリ解りません。

ゼンリーの場合も同じで、本当の目的は自己アピールなのかも知れませんね。自分がいかに忙しく動いてるか、オシャレな場所で遊んでるか、友達がいっぱいいるか、彼氏とラブラブか等々をアピールし、マウンティングの上位に君臨する為の道具。

我々の学生時代にもスクールカースト的なものは漠然と存在したと思いますが、現在はそれが比べものにならないほど熾烈になってて、マウンティングで勝てるならプライバシーが無くなろうが構わないくらい必死なのかも知れません。

私は昭和に生まれて本当に良かったです。こんな地獄にはとても耐えられません。
 

 

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6 コメント

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Unknown (harrison2018)
2019-10-18 09:44:08
居場所だけならともかく、一緒にいる相手と滞在時間まで表示されちゃうんだから「監視」以外の何ものでもない。これが絆を深めるワケが無いですよね。くわばらくわばら。
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Unknown (キアヌ)
2019-10-18 08:35:38
なるほど!
地位をアピールしたい人は嬉しい機能かもですね、

LINEもTwitterもFacebookもすごい!素晴らしい!
と思いましたが、このゼンリーだけは薄気味悪いです
親目線で我が子には有効かもとは思います

しかし、

学生時代に付き合ってる彼女からゼンリーしてほしいと言われたらめちゃくちゃ窮屈ですね
返信する
Unknown (harrison2018)
2019-10-18 00:26:35
その日の食事や外出先を写メしていちいちSNSにアップする人が大勢いますが、それも私には理解できません。たぶん自分が美味しいものを食べたりあちこち出掛けてることを自慢したいのだろうと思いますが、それでいったい何が得られるのかサッパリ解りません。

ゼンリーの場合も同じで、本当の目的は自己アピールなのかも知れませんね。自分がいかに忙しく動いてるか、オシャレな場所で遊んでるか、友達がいっぱいいるか、彼氏とラブラブか等々をアピールし、マウンテングの上位に君臨する為の道具。

我々の学生時代にもスクールカースト的なものは漠然と存在したと思いますが、現在はそれが比べものにならないほど熾烈になってて、マウンテングで勝てるならプライバシーが無くなろうが構わないくらい必死なのかも知れません。

私は昭和に生まれて本当に良かったです。こんな地獄にはとても耐えられません。
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Unknown (キアヌ)
2019-10-17 12:59:16
送信できていませんでしたので再送します。

ゼンリー、本当に理解できませんーー

昨今のバトルものは自分が戦わず、小動物や召喚モンスターに戦わせるといういまいち私は燃えない文化もかなり浸透しているので時代がもう違うんでしょうね、

誰かに自分の所在をいつもスマホで見られていると思うだけでも、ウルトラ薄気味悪いですし、常に自分の居場所を地図上に示しておくというプレイもよくわかりません。
別に後ろめたいことはしていませんが、、w

しかしそれが人気というなら、新世代には必要なのですかね?

子供たちがもう少し大きくなったら是非インタビューしてみたいです
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Unknown (harrison2018)
2019-10-14 13:28:17
そうですよね。ゼンリーのことを知って恐ろしさを感じたのは、少しずつ実現しつつある総管理社会への道が、一気に身近なところまで進んで来たのと、若い子らがそれを当たり前みたいに受け入れてる現実がそこにあるから、なんだと思います。

たぶん若い子らの中にも我々みたいに「絶対イヤ!」って思ってる子がいるんでしょうけど、そういう少数派がますます少数になってる気がして本当に怖いです。

異端を駆逐するのは生き物の(病気の感染を防ごうとするような)本能だと云われてますし、それが時代が進むにつれエスカレートしてるとしたら、いよいよ破滅は近いかも知れません。破滅です。
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Unknown (gonbe5515)
2019-10-14 12:49:28
「ゼンリー」、私もびっくりです。驚愕です。そんなもんいらんわ!です。私も参加したくないですね。自分ひとりだと思っている時間も、じつは自分ひとりじゃないなんてまっぴらです。

でも、おっしゃるとおり、生まれた時代で「普通」が変わるのも理解できます。私はその普通を共有できないばかりに、今の仕事をやめようとしているわけで。

私が願うのは、そういう「普通」を受け入れられない「変人」の存在でしょうか。私自身「変人」の自覚があるのですが、「変人」がいてこそなんとかバランスが取れているような気がします。

もっとも怖いのは世の中が「普通」100%で埋め尽くされる状態ですね。思想にしろ、宗教にしろ、生活様式にしろ、全部が全部同じでなければ気がすまない、あるいは許されない時代がくれば、それこそ破滅です。そうならないことを願っているのですが、すでにそういう国も存在するわけで・・。

「変人」「異端児」がいる間は、なんとかやっていけるのではないか、そう思ったりします。
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