2014年の春シーズン、日本テレビ系列の木曜深夜「木曜ドラマ」枠で全13話が放映された、読売テレビ制作による異色の刑事ドラマ。高橋秀武さんの人気コミックを実写化した作品です。
とりあえず、タイトルの付け方があまりにワンパターンなのが残念です。何とかユニークなタイトルを捻り出して、是が非でも視聴者の興味を引いてやろうっていう、創り手の心意気が感じられません。
そういう部分一つを取っても、やっぱり『太陽にほえろ!』という番組は凄かったよなあって思うワケです。『あぶない刑事』しかり『踊る大捜査線』もしかり。アグレッシブな姿勢がタイトルに表れてます。タイトルは番組の顔ですからね。
とはいえ、もしかすると平凡なタイトルであればあるほど視聴者は取っつき易い、みたいな傾向があるのかも知れません。テレビは「ながら見」するものであるからして、新しい要素など邪魔にしかならないのかも?
絶望ですね……破滅です。あ~、死にたい!
いやホントに、ドラマの内容自体が結構ユニークなだけに、凡庸なタイトルが余計に勿体無いって思うワケです。
なんと言っても、警察庁生活安全局・特殊防犯課(略してトクボウ)に所属するエリートな主人公=朝倉草平警視(伊原剛史)の口癖が「あ~、死にたい!」ですからね。大いに共感しますw
冒頭からどんより暗い顔して、俯きながら「この世は、害虫で溢れかえってる……」って、慢性的に絶望しちゃってるマイナス思考ぶりが素晴らしい!(そのくせ健康オタクらしいw)
で、食品偽装のレストラン・オーナーやJK散歩(未成年の性風俗)、ブラック企業、脱法薬物といった身近な、だけど正当には裁きにくい俗悪=害虫を、逮捕ではなく「矯正執行」という名のキツいお仕置きをするのが朝倉警視のお仕事。
要は現役警察官による合法的『ザ・ハングマン』なワケで、初回のメインゲスト=お仕置きされる人の第1号は名高達郎さんでしたw(名高さんは元祖ハングマン俳優)
しかしハングマンの復活そのものは『ジョーカー/許されざる捜査官』や『悪党/重犯罪捜査班』等の近作がありますから、それほど目新しくもありません。だからこそ工夫を凝らして個性を主張しなくちゃ埋もれちゃうワケで、タイトルはつくづく残念だけど、朝倉警視のキャラクター設定はユニークで面白いと感じました。
お仕置きの仕方もなんだかSMプレイみたいでw、悪人があれでホントに改心するとは思えないのが、かえってツボかも知れません。
あと、朝倉警視をパシリ扱いしてこき使うドSな上司=叶警視正を、童顔の安達祐実さんに演じさせる歪んだセンスもまた素晴らしいですw
ほか、朝倉の相棒となる所轄署刑事に松下洸平、叶の上司である警視長に宅間孝行、FBIから来た捜査一課刑事に川平慈英、といったレギュラーキャスト陣。
どうしても低予算臭はつきまとうけど、ゴールデンタイムの番組じゃなかなか出来ないことをやれる強みが、深夜ドラマにはあるんですよね。
だんだん間寛平さんに似てきた伊原剛志さんのw、まるで絶望を楽しんでるみたいな歪んだキャラクターは面白いし、全編に漂うSM的な歪んだ空気も、観続けたら意外とクセになるかも知れません。
恒例のおしりショットは第1話ゲストの多岐川華子さん(我ら昭和世代のミューズ・多岐川裕美さんの長女)と、この時期から性格女優として再注目され始めた、叶警視正役の安達祐実さんです。
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