結論から書くと、やはりこれは良く出来たドラマで面白かったです。最終回ではしっかり泣かされました。
ただ、中盤、私は迷ってました。率直に言えば「つまんないかも?」ってw、正直ちょっと諦めかけてました。多部未華子さんが出てなければ確実に視聴を中止してたと思います。
そのキッカケとなったのは、第4話の序盤。こんな人いたっけ?と誰もが思ったであろう、ヒロイン=メイ(多部ちゃん)の同僚でチョー地味な「おじさん」=馬場さんが若い女性と結婚することになり、そのなれそめを同僚たちが根掘り歯掘り聞き出そうとするシーンでした。
心底どーでも良かったしw、そんな心底どーでもいいキャラの心底どーでもいいエピソードに、なんでそんなに長い時間を割くの!?って、ただでさえ恋話には興味がない私にとって地獄のような数分間でしたw
ところが! 最終回まで観ると、その地獄みたいなシーンにもちゃんと意味があったことに気づかされるんですよね。これには参りましたm(__)m
(以下、結末に触れないと話が進まないのでネタバレになります。もし、私みたいに途中で興味を失いかけて録画を貯めておられる方がいたら、是非とも最後まで完走して頂きたいのでこの先は読まないことをオススメします)
私の迷いが吹っ切れたのは、ずっと「ヒロインの相手役」ポジションにいた田所くん(瀬戸康史)の部屋が、家政夫ナギサさん(大森南朋)を雇う前のメイに負けない位とっ散らかってることが判明した瞬間でした。
その理由は2つあって、まず1つは、田所くんがそれをずっと隠して来た理由を「人に弱味を見せたくなかったから」と説明したこと。
私はずっと、メイがナギサさんの存在を隠したり父親だと嘘をついたりして、家政夫を雇ってる事実をひた隠しにする気持ちがよく解らなかったもんで、視聴者を無理やり笑わせようとするこの脚本は稚拙なんじゃないか?と思ってたんです。
思い返せばメイ自身も同じような台詞を何度か言ってたんだけど、ここで田所くんが重ねて言うことによって「なるほど、競争社会に生きてる人達はそういうもんなのかも」って、なんとなく理解出来たんですよね。
そしてもう1つの理由は、田所くんの内面があまりにもメイと似すぎてる=結婚はあり得ないって気づいたこと。そこで私はようやく、このドラマが実は「メイとナギサさんのラブストーリー」だったことを悟るワケです。
そうなると、まったく無意味だと思ってた馬場さん、つまり「おじさん」と若い女性の結婚話も重要な伏線として意味を帯びて来る。稚拙どころかメチャクチャ緻密やん!って、一時は諦めかけたからこそ私は感動しちゃった次第です。
初回からもう一度観直していけば、たぶん同様の伏線があちこちに張り巡らされてるんだろうと思います。とは言え、強引な展開が多いドラマである事実には変わりないんだけどw
何であれ、多部ちゃんがおじさんと結婚する話となれば、我々おじさんの見方は大きく違って来ちゃいますw そりゃそうですよ!
その相手としてナギサさんは申し分ないし、好感度もバツグンで心から祝福したくなります。しかしこの結末は容易に予想出来そうで、意外と選択肢から外してしまう。それだけ創り手のミスリードが巧かったんだろうと思います。
このドラマ、初回から2ケタの視聴率をキープして最終回は20%間近のスマッシュヒット。多部ちゃんがメインを張った連ドラじゃ現在のところベスト1となる成績を上げました。これも私は全く予想出来ませんでした。てへっ!
視聴率はともかくとして、トリッキーな設定が多かった過去の多部ちゃん主演作の数々と比較すると、この『私の家政夫ナギサさん』はあまりにノーマルなラブコメディーで、そんなドラマで看板を張る多部ちゃんはもう、綾瀬はるかさんや新垣結衣さん等と肩を並べる大女優なんだなとつくづく思いました。
もはや押しも押されもしない、たとえ『ドS刑事』みたいにコケたとしてもw、もう主演のオファーは来ないかも?なんて心配する必要が無くなったワケです。それって、長年のファンとしては嬉しい反面、ちょっと寂しいような感情も湧いて来そうです。
来たる2021年は『デカワンコ』放映から丸10年、私やgonbeさんがタベリストになって10周年を迎えることになります。なんだか感無量です。
ずっと2人にしかわからない絶妙な関係で
いてほしかったです。
主題歌でいつもいいところで『恋』の
歌が流れたことでそうなるのは
避けられないとしても!!
なぎささんにはお母さんでいてほしかったです!ww
私はとにかく「どの王子様を選ぶの?」的なドラマが大嫌いなので、逆に結末を予想出来た方がもっと素直に楽しめたような気がします。まんまと創り手の仕掛けた罠にはまったワケで、そういう意味じゃ「良いお客さん」になれたのかも知れませんw
宮内淳さん亡くなりましたね。ボンの特別ファンだったわけではないですが寂しいです。太陽の出演者がだんだんいなくなっていくのは切ないです。公の場に出なくなって久しいので享年70という年齢にびっくりして神田正輝さんと同じ年なのでそれはそうかと納得しました。ボンのイメージのまま私の中では永遠の青年ですね。ご冥福をお祈りします。
つまり、私が嫌いなものばかりズラッと揃えればヒット作が生まれちゃうw いや本当に、それくらい私の嗜好と多数派たちの嗜好がどんどんかけ離れて来てる。よく最終回まで我慢して観続けたもんだと、自分で自分を褒めてあげたいですw