☆第7話『死者からの手紙』
(1975.11.21.OA/脚本=樽岡八郎/監督=江崎実生)
投身自殺した男が海南署の村上刑事だと知って、白鳥刑事(志穂美悦子)が驚いた! 村上は高校時代の親友=ヒロコ(市地洋子)の父親なのでした。
だから白鳥は葬儀に参列するんだけど、そこに高校時代のバレー部のコーチ=木嶋(大門正明)が現れたもんだからまた驚いた!
当時、白鳥とヒロコは女子バレー部に所属し、厳しく鍛えてくれる木嶋に2人とも恋をしてたんだけど、ヒロコが木嶋とデートしてる現場を目撃して驚いた白鳥は、親友の幸せを願って身を引いたのでした。
初恋の人と再会できて胸がときめいたのも束の間、現在の木嶋がナイトクラブの専務で、ヤクザ絡みの潮商事と深く関わってる事実を日比木警部補(金子信雄)から聞かされて、白鳥はまたまた驚きます。しかも、自殺したとされるヒロコの父親=村上刑事は潮商事の汚職を捜査していた、つまり殺された可能性があるという! 驚いた!
「違う、違うわ。木嶋さん、そんな人じゃない!」
秘密捜査班は木嶋に疑惑の眼を向けますが、白鳥は彼の無実を信じ、それを確かめるため母校の体育館に彼を呼び出します。
「ナイトクラブ勤めなんて木嶋さんらしくない。そんなサングラスも木嶋さんらしくない!」
「キミにはそう見えるかも知れないが……しかしね、白鳥くん。過去なんて何の意味もありゃしないんだ」
「あるわ!」
そう言って白鳥は木嶋にバレーボールを渡し、数年振りに鬼コーチの千本ノックを受けるのでしたw
そんな折り、ヒロコの家に死んだ筈の父=村上刑事から封書が届いたから驚いた! その中身は、潮商事の汚職を証明するメモ書き。身の危険を察した彼が襲撃される直前に郵送したのでした。
だけどそれじゃヒロコが危ないやん!って思ったら案の定、彼女は潮商事のヤクザどもに拉致され、拷問を受ける羽目になります。
この拷問シーンにおいてヤクザたちは、ヒロコのブラウスを破いてブラジャー丸見え状態にするという、実に正しい拷問のあり方を示してくれます。捕まえた女性を一糸乱れぬ姿のままにするヤクザなど、いるワケがないんです! グッジョブ! エクセレント!
しかし、いくら拷問されてもヒロコは証拠メモを「焼き捨てた」と言い張ります。こうなったら丸裸にして色々やっちゃうしか手はありません。
一方、潮商事に潜入していた佐久刑事(谷 隼人)から連絡を受け、ヒロコがブラジャー丸見えになってることを知った白鳥は、木嶋の事務所に乗り込み、ヒロコから託された例の証拠メモを差し出します。
「どうして俺に?」
「これを持って自首して。木嶋さん、お願い!」
あくまでも木嶋を信じ抜こうとする白鳥だけど、残念ながら初恋の人はすっかり変わってしまった。結局、白鳥も拳銃を持った潮商事のヤクザどもに捕まっちゃいます。
ところが! いよいよヤクザどもが白鳥とヒロコを撃ち殺そうとした時、木嶋がとっさに2人をかばって撃たれてしまいます。彼もやっぱり普通の人間だったという事でしょう。
「木嶋さん!?」
ヤクザどもは、一番怒らせちゃいけない人を本気で怒らせちゃいました。そう、ついに白鳥刑事こと我らが志穂美の悦っちゃんが、女必殺拳で連中を皆殺しにしてくれる……のかと思いきや!
ここで唐突に、今までほとんど出番が無かった大神警部(千葉真一)が颯爽と現れ、必殺44マグナムでヤクザを皆殺しにしちゃうんですよね! これが今回一番驚いた!w 千葉さん、あんたもか!(『大捜査線』レビュー参照)
動かなくなった木嶋の手には、例の証拠メモが握られてました。ヤクザ連中に手渡す機会はいくらでもあったのに、彼は白鳥に言われた通り自首するつもりだったのかも知れません。
「木嶋さん……」
切なく涙を流す白鳥の肩を、まるで今までのいきさつを全部見てたような顔をして、大神警部が優しく抱き寄せます。そして千葉真一がしっとりと唄う主題歌『旅人ひとり』が流れてジ・エンド。
マグナムでヤクザどもを皆殺しにしてくれるのはいいんだけど、千葉さん、今回だけは引っ込んでて欲しかったですw せめて、志穂美さんがひと暴れするまで待って欲しかった!
今回のエピソードもたぶん、アクションやサスペンスよりも苦悩する主人公の姿を見せたかった。「ウチの悦子は芝居も上手いんだぜ」って、千葉さんは仰りたかったんでしょう。それが『燃える捜査網』という作品のコンセプト。
いやいや、それにしたって、美味しいとこだけ持って行くにも程がありますよ千葉さんw いくらなんでも今回は唐突でした。あの杉サマですら少しは段取りを踏んでから登場されますよw
そんなワケで、白鳥刑事が主役でありながら志穂美さんのアクションが見られなかったのは残念だけど、そのぶん婦警さんの制服姿やセーラー服姿、ブルマー姿までサービスしてくれましたから良しとするより仕方ありません。
こんな風に、看板スターを徹底的に立てるテレビ番組や映画っていうのも昭和ならでは。今どきのスターじゃこういうのは成立しないでしょう。同じスターでもスケール感がまるで違うんですよね。
2 コメント
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- Unknown (昭和くん)
- 2020-09-27 12:17:50
- キイハンターからの、走る列車上のアクションに始まり、柳生十兵衛の、低い声で「何者!」がサマになるスターは、千葉さんしかいません。キアヌ・リーブスまで魅了してしまいますから。俺の子供の時アイドルでした。
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- Unknown (harrison2018)
- 2020-09-27 12:52:04
- 私は今頃になって千葉さんの「俺ジナル」あふれる演技とアクションにハマっちゃいました。ほんとに、唯一無二ですよね。
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