2008年の夏シーズン、フジテレビ系列の火曜夜9時枠で全11話が放映された、フジテレビ&共同テレビの制作によるコメディータッチの刑事ドラマ。'09年と'10年には続編となる2時間スペシャルも制作されました。
安童夕馬(原作)&朝基まさし(作画) による少年マンガの実写化で、100%少年少女向けの番組。ゆえに我々オジサンが観るにはちょっとキツい内容になってますw
横浜みなみ警察署の生活安全課少年係に配属された新米刑事・柴田竹虎(小池徹平)が、とても刑事には見えないその童顔を活かして不良グループや高校のクラスに潜入し、犯罪に巻き込まれた未成年者たちを救っていくというストーリー。
竹虎には「一度触れた相手に死の危機が迫ると死神の手が見える」という特殊能力があり、前年に登場した『SP/警視庁警備部警護課四係』と同様、刑事物や探偵物にSFファンタジーの要素を盛り込んだドラマのはしりでもあります。
私としては、そういう設定をあまり刑事物には持ち込んで欲しくないんだけど、後の『デカワンコ』(これもマンガ原作) みたいな成功例もある事だし、あくまで使い方次第。
この『シバトラ』の場合、特殊能力うんぬん以前に(主人公だけじゃなく全ての)キャラクターに実在感が無さすぎて、絵空事にしか見えないんですね。『デカワンコ』がいかに絶妙なバランスでマンガイズムとリアリズムを両立させてたか、本作と比べるとあらためてよく分かります。
笑いのセンスにしても『デカワンコ』みたいな切れ味や洗練された感じがまるで無く、ただひたすら騒々しいバラエティー番組のノリで、オジサンにはキツいですw
それでも好視聴率をキープしてましたから、若年層のニーズは的確に捉えてたのかも知れません。小池徹平くんの人気もきっと凄かったんでしょう。全盛期のマイケル・J・フォックスに似てますもんねw
ヒロインは第1話の事件で竹虎に救われ、彼のアパートに押しかけて強引に同居しちゃう、いかにも少年漫画キャラの女子高生=宝生美月。演じるのは7歳から女優活動されてる大後寿々花さん。
そして何かと竹虎の面倒をみる元ヤンキーに藤木直人、その子分に塚地武雅、生活安全課少年係の係長に真矢みき、刑事に宮川大輔、交通課婦警に南 明奈、近野成美、松田珠希、交番巡査に今田耕司が扮するほか、ブレイク前の波瑠、鈴木亮平、三浦涼介といった人たちも出演されてました。
いろいろ文句を書きましたけど、そうしてツッコめるのは番組に強い個性があるからであり、どれも似たり寄ったりで無難に作られた謎解き刑事ドラマ群よりは、ずっと見所があるとも言えます。
ムーミン