2011年春に公開された、井口昇監督によるR15+指定映画。伊藤潤二さんの代表作である不条理ホラー漫画『富江』を実写化した劇場映画としては8作目にあたり、現在のところ最終作となってます。
チョー傲慢で身勝手な性格ながら、その美貌と魔性の魅力で関わった男たちをみな虜にしちゃう富江。
で、やがて独占欲に取り憑かれ、精神を病んだ男が富江を殺しちゃうんだけど、なぜか彼女はケロッと甦る。遺体をバラバラにしようもんなら、そのパーツ1つ1つが別の富江となり、みるみる増殖していく。そこに理由は一切ありませんw
そんな基本ストーリーは全作ほぼ同じで、状況設定だけが変わっていく。富江は無数に存在するんだから、いくらでも話が創れるワケです。
不条理ではあるんだけど、人の人生を狂わせちゃうモテ女やモテ男は現実にも無数に存在するワケで、実は古今東西どんな状況でも成立する普遍的なストーリー。そこが人気の秘密なのかも知れません。
菅野美穂さんに始まり、宝生舞さん、酒井美紀さん、安藤希さん、松本莉緒さん、伴杏里さん、あびる優さんと変遷してきた富江役を今回は演じられたのは、仲村みうさん。ミステリアスという面においては最高レベルに適役じゃないかと思います。
それも含めて本作はシリーズ中で最も原作のテイストに近いと評判で、伊藤潤二さんの「不条理」と井口昇さんの「ナンセンス」、そして両者共通の「グロ」趣味と、確かに理想的な組み合わせかも知れません。
ただし、せっかくジュニアアイドルの頃からエロを追究されて来た仲村みうさんが富江を演じ、井口さんが監督されてるというのに、エロ要素が全く足りてないのは残念としか言いようありません。
そこがメジャーの限界なんでしょうけど、どうせR15+指定になるならエロ表現も自由にさせてあげて欲しかった。井口さんと仲村さんがタッグを組みながら、女どうしの入浴と軽いキスしかそういう見せ場が無いなんて、それは勿体無いにも程があります。
というワケで、異様な世界観は楽しめるし仲村みうさんの妖しい魅力も堪能できるけど、私個人としては物足りない映画でした。
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