ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『沙粧妙子/最後の事件』1995

2019-03-30 00:00:03 | 刑事ドラマ HISTORY









 
1995年の夏シーズン、フジテレビ系列の水曜夜9時「水曜劇場」枠で全11話が放映された、飯田譲治 脚本による刑事ドラマ。'97年3月には続編となる単発スペシャル『沙粧妙子/帰還の挨拶』も放映されました。

女性刑事を単独で主役にした点でも、また連続猟奇殺人や犯罪心理プロファイリングを本格的に扱った点でも、日本の刑事ドラマとしては先駆的な作品かと思います。暗いけど、独特の乾いた世界観でカルト的な人気を集めた作品でもあります。

警視庁刑事部捜査第一課の警部補=沙粧妙子を『あぶない刑事』シリーズの浅野温子さんが、今回は暴走することなくw、シリアス過ぎるほどシリアスに演じておられます。(演技が過剰という意味じゃ変わってないかもw)

ほか、沙粧の相棒となる新米刑事=松岡に柳葉敏郎、科捜研の技官=池波に佐野史郎、捜査第一課係長の高坂に蟹江敬三、その片腕となる中堅刑事=矢田に金田明夫、公安部の管理者=卯木に山本 學、元プロファイリングチームのリーダーで沙粧の元恋人=梶浦に升毅、沙粧の妹=美代子に黒谷友香、松岡の恋人=理江に飯島直子といったレギュラーキャスト陣に、香取慎吾、国生さゆり、松田美由紀、西村雅彦etc…という豪華ゲスト陣、さらに中谷美紀、広末涼子、反町隆史、高橋克典、柏原 崇etc…と、当時まだブレイク前だった若手たちも絡んできます。

「人間というものがいる限り、この世界から悪意が消滅することはあり得ない。そして悪意は、目に見えないものとは限らない」

↑ という冒頭テロップのように、多かれ少なかれ誰もが持ってる悪意や妬み、破壊願望を巧みに引き出し、マインドコントロールして若い殺人鬼を何人も生み出した黒幕が、沙粧妙子の元恋人である梶浦。

沙粧自身も狂気に蝕まれながら梶浦と対決していくという重苦しいストーリーなんだけど、単なる謎解きじゃなく人間の心理(ダークサイド)を探求していく作劇は当時新鮮だったし、浅野温子さんの過剰演技や佐野史郎さんの不気味さがドラマ内容と見事にマッチして、観ればクセになる妙な面白さがありました。

過剰演技と言えば、後にいくつもの作品を「やりすぎ」芝居で破壊することになる香取慎吾くんが、猟奇殺人鬼を演じた『沙粧妙子』では凄く光ってるんですよね。演じることにまだ慣れてないのが逆に功を奏したのかも知れないけど、そうしてキャストそれぞれの個性を絶妙に活かした脚本と演出が、本作を成功に導いたのは間違いないだろうと思います。

長期放映&1話完結が基本だった刑事ドラマも、'92年の『眠れない夜をかぞえて』あたりから1クール(12話前後)で1つのストーリーを描くフォーマットが取り入れられ、この『沙粧妙子』のヒットにより定着した感があります。

そしてもはやビデオ撮影は当たり前となり、長らく「テレビ映画」を観て育った私としては寂しい限りなんだけど、そこは時代の流れですから受け入れるしかありません。
 

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (刑事マニア)
2019-03-30 07:29:53
浅野温子さんの魅力をメインにするってコンセプトで始まったそうです。サイコパスな作品は日本版羊たちの沈黙ですね。後の中森明菜のボーダーや中谷美紀のケイゾクがこの作品の世界観を継承していきましたね

現在は放送不可みたいですね
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Unknown (harrison2018)
2019-03-30 09:08:25
残虐描写は現在とそれほど変わらないと思うのですが、やはりマインドコントロールのネタがNGなんでしょうか。そう言えばちょうどオウムの事件が起こった頃の作品ですね。
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Unknown (キアヌ)
2019-03-30 11:45:23
ラストに流れる主題歌、ロッドスチュアートのレディラックが最高で、いまだに聴いています!
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Unknown (harrison2018)
2019-03-30 12:07:40
劇中でも洋楽が効果的に使われてましたよね。そういうセンスの良さもカルト人気に繋がったのかも知れません。
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