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マニアの間じゃよく知られてる事ですが、『マジンガーZ』の続編は当初『ゴッドマジンガー』というタイトルになる予定でした。(数年後に他局で放映される、古代ムー大陸が舞台の『ゴッドマジンガー』は全くの別物です)
だけど当時『仮面ライダー』シリーズの敵組織名が「ゴッド」だった為、『グレートマジンガー』に名称変更されたという経緯がありました。そしてその『グレートマジンガー』が終了を迎え、シリーズ第3弾は今度こそ『ゴッドマジンガー』になる筈でした。
ミケーネ帝国の総攻撃により科学要塞研究所は破壊されるんだけど、光子力研究所の弓教授が開発した新エネルギーでマジンガーZが大幅改造され、グレートマジンガーをも凌ぐ最強のスーパーロボット=ゴッドマジンガーが誕生する。
だけど、その改造途中に敵の攻撃を受けて炎ジュンが殉死。グレートマジンガーも大破して剣鉄也は半身不随の身になっちゃう。
地下に砦を築いたマジンガーチームは、車椅子の鉄也を司令塔に結束を固め、兜甲児が操縦するゴッドマジンガーで闇の帝王との最終決戦を繰り広げるという、かなりハードなストーリーが用意されてたそうです。
だけど様々な「大人の事情」から『ゴッドマジンガー』の企画はNGとなり、東映まんがまつりで上映されたオリジナル映画『宇宙円盤大戦争』をベースにした『UFOロボ・グレンダイザー』が、マジンガーシリーズ第3弾に決定した次第です。(当時は空前のUFOブームだったんですね)
『グレンダイザー』も決して悪くはないんだけど、世界観が前2作とはかなり違った為、多くのマジンガーファンは上記の『ゴッドマジンガー』こそが観たかった!って、まぁ少なくとも私は強く思ってます。「闇の帝王」との決着もつかないままだし。
それに、何しろ『グレンダイザー』の主人公=デューク・フリード(声=富山 敬)は、遠い銀河の惑星=フリード星の王子様なんです。(従ってグレンダイザーも地球のメカじゃないワケです)
別に宇宙人だからって差別するつもりは無いけど、貴公子然とした正当派イケメンキャラで来られると、私は感情移入しづらいんですねw
しかも! 我らがマジンガーZのパイロット=兜 甲児(声=石丸博也)がなぜか助演のポジションで再登場したのは良いんだけど、随分と子供っぽいキャラに退化したばかりか、まるでボスボロットの不在を補うかのように、三枚目のコメディーリリーフとして扱われてる!
更に、なぜか最後までマジンガーZが登場しない! 甲児はTFOなる自家製の小さい円盤に乗るだけでほとんど戦力にならず、王子様=デューク・フリードの引き立て役に徹してる!(製作陣が『ゲッターロボ』のスタッフにチェンジしたもんで、Zや甲児への思い入れが無かったんでしょう)
『グレートマジンガー』最終章における大活躍が、まるで嘘だったかのような甲児の扱われぶりに、生粋のマジンガーファンは再び(あの大惨敗以来の)屈辱を味わったワケです。
他にも、敵キャラ(イケメン)に悲劇性を持たせたり、フリード王子様のくっさいメロドラマがやたら描かれたりと、新たな客層(要するに女性客)をターゲットにしたストーリーが目立ったのも、我ら少年ファンをシラケさせました。
ただしヨーロッパ諸国で『グレンダイザー』は異例の大ヒット、視聴率70%以上を記録した国もあるそうです。女性客にウケなければ、これだけの数字は稼げない筈です。
そんなワケで、私は前2作に比べて『グレンダイザー』への思い入れはかなり浅いんだけど、メカデザインだけは気に入りました。幻の『ゴッドマジンガー』用に描かれたデザインよりずっと格好良いし、スペイザー(UFOユニット)との合体システムにも唯一無二の面白さがあります。
そして番組後半から甲児が乗る新メカ「ダブルスペイザー」もかなり格好良くて、少しだけ溜飲が下がりました。(上の画像でグレンダイザーと合体してるヤツです)
あと、やはり番組後半から登場するデューク・フリードの妹=マリア・グレース・フリードが、弓さやかを彷彿させる勝ち気なキャラクターで、萌えましたw 彼女が甲児に惚れちゃう展開もマジンガーファンにとって救いになりました。(さやかはどうなってる!?って想いもあったけどw)
そんなこんなで、女性客を開拓したロボットアニメとして画期的と言えなくもない『グレンダイザー』だけど、マジンガーシリーズの完結編としては、様々な悔いが残る作品でもありました。
だからこそマジンガーシリーズは、多くの二次創作やリメイク作が創られ続けてるんですよね。あのまま終わらせてたまるか!っていう想いが、ファンの胸に強く残ってるから。
なるほどガッテン、思い入れがない人が作ると、歴戦の勇者のただのハシ役に転落するんですね、
グレンダイザーは好きでしたが、小さいUFOに乗ってぱっとしない彼を見るのは嫌でした。
グレートマジンガーの鉄也の精神崩壊は全く覚えていませんが、グレンダイザーのこのこうじくんは見たくないなーという当時の気持ちは結構覚えています!
現在の創り手たちはヒーロー番組を観て育って来たから、子供がヒーローに何を求めてるか熟知してるけど、当時の創り手たちが子供の頃はそういう番組が無かったせいで、何を提示すべきか分からず試行錯誤しながらやっておられたんでしょうね。
甲児の扱いは、スタッフもゲッターチームに入れ替わったから、ということもあると思いますが、UFO路線がコケた場合にゴッドマジンガーに軌道修正すべく準備していたんじゃないかと個人的には思っています。結局それは実現しなかったわけですが、後半の各スペイザーとのドッキングによる強化以降、ベガ星に攻め込む終盤までは、UFOロボというスペックは事実上後退してしまいました。何故かボスたちとボスボロットは客演していますね。
なるほど、いくらUFOブームだからと言ってもUFOロボがウケるかどうかは博打でしょうから、その保険を用意していたという可能性も考えられますね。
そもそも、わざわざUFOと合体するメリットがよく分かりませんしw