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2009年の4月から9月にかけて、全26話が土曜深夜枠(テレビ東京系列)で放映されたアニメ作品です。『マジンガーZ』が現代のアニメ技術で蘇るとあって、私は大いに期待してました。
幼少期(’70年代)に夢中になって観たアニメは、作画も動きも粗くてクオリティーに難があり、内容的にも大人の鑑賞に耐えるもんじゃなかったからです。(劇場版『マジンガーZ 対 暗黒大将軍』だけは別格)
その点においては、確かに雪辱を晴らしてくれた感がありました。「超合金魂」など新たな玩具展開もあって楽しかったです。
だけど作品として面白かったかと言えば、残念ながら答えはノーになっちゃいます。脚本と監督を一手に引き受けられた、今川泰宏さんの作家性があまりに強すぎて、我々ファンのニーズは完全に無視された印象です。
永井 豪さんの原作漫画をベースにし、『マジンサーガ』や『Zマジンガー』の設定もミックスさせたのは良かったけど、更に『バイオレンスジャック』や『キューティーハニー』等のマイナーな脇役キャラまで次々登場し、大して活かされもせず収拾もつかず、肝心の主人公・兜 甲児(声=赤羽根健治)や弓さやか(声=本多陽子)に全く魅力が無かったのは致命的でした。
その分、敵キャラの「あしゅら男爵」がやたらクローズアップされ、彼(彼女?)が背負う過去の悲劇がストーリーの核になってたり、やたらどんでん返しを繰り返す設定遊びにも、我々ファンは(少なくとも私は)「だから、何?」とシラケる一方でした。
昨今の窮屈なテレビ業界において、独自の作家性を発揮すること、それが許されること自体は素晴らしいと思うんだけど、そこに原典『マジンガーZ』への愛が感じられなきゃ何の意味もありません。
どう見ても今井泰宏さんは、マジンガーZにも兜甲児にも弓さやかにも、全く思い入れが無さそうです。あしゅら男爵にしか興味が無いんでしょう。そんな人にリメイクを丸投げしちゃった製作陣も同罪です。
マジンガーZの復活という、幾多のファンにとっての一大イベントを、たった1人のアニメ作家のマスターベーションに利用された屈辱、その怒りは今でも……いや、最近は忘れてましたけどw、こうして回想すると収まりません。
そんなワケで非常に残念な内容だった『真マジンガー/衝撃!Z編』(『G編』はどうなった?)ですが、それでも無視出来ないのは、やっぱ最新アニメ技術によるマジンガーZを見せてくれたこと。
そして最新アニメ技術による、弓さやかのあんな姿やこんな姿が観られた事ですねw 唯一その点だけは我々ファンのニーズを解ってらっしゃいました。(詳しくは次回にて)
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