ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『SMOKING GUN/決定的証拠』2014

2019-10-02 00:00:06 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2014年の春シーズン、フジテレビ系列の水曜夜10時枠で全11話が放映された、科学捜査系の謎解きドラマ。横幕智裕&竹谷州史によるマンガ『Smoking Gun/民間科捜研調査員 流田縁』を実写化した作品です。

警察ではなかなか扱われない、些細な事件の科学捜査を有料で引き受ける民間企業「千代田科学捜査研究所」に勤めるぶっきらぼうな主人公=流田縁を演じるのは、あの『MONSTERS』の香取慎吾。

その同僚に西内まりや、中山優馬、安藤玉恵、イッセー尾形、所長に鈴木保奈美、その娘に濱田ここね、香取くんの死んだ恋人に倉科カナ、警視庁の刑事に谷原章介、弁護士に宅間孝行、といったレギュラーキャスト陣。

『MONSTERS』の時は変人キャラの度が過ぎて気持ち悪くて、ちょっと見るに耐えなかった主演の香取慎吾くん。今回はかなり抑えめの(なぜかキムタクそっくりな)芝居で何とか見てられなくはないけど、それでもやっぱり「演技で魅せる」というレベルには程遠い。モデル出身のヒロイン=西内まりやさんも同じくです。

主役コンビに魅力を感じないとなると、ドラマの内容がよっぽど斬新かハイクオリティーでない限り、観続ける理由が無くなっちゃいます。残念ながら、この『SMOKING GUN』は駄目でした。タイトルだけは格好良いんだけど……

これは厳密に言えば刑事物ではなく、民間の科学捜査研究所のメンバーが活躍する話なんで、探偵物に近い内容です。

だから毎回、自ら営業活動をして仕事を貰い、その内容によってギャラの額が違って来るのが、新機軸と言えば新機軸。でも探偵物として見れば普通ですからね。結局いつもお金にならなくてガッカリっていうパターンも見慣れたもんです。

初回のストーリーがまた、家族を見捨てて自殺したと思われてたお父さんが実は事故死だった!ってなオチで泣かせる、これまで人情系の謎解きドラマでさんざん使い回されて来たパターンですよ。

主役がしょっちゅう甘いもの(本作の場合はドーナツ)を食べて頭の回転を促進させる設定も、過去に菅野美穂さん(キイナ)や三上博史さん(トトリ)がやって来たことの繰り返しで創意工夫はまるで無し。

ジャニーズアイドルや人気モデルをキャスティングした時点である程度の視聴率が見込めるからって、手抜きしてませんか? 科学捜査の内容にしたって、六角精児さんが『相棒』でやってる事(つまり普通の鑑識係)とほとんど変わんないし。

脇を固めるキャラクターもことごとく凡庸で、実力あるキャストたちが誰一人として輝いてないし……要するに脚本の出来がよろしくない。ジャニーズからの要求や制約に縛られた結果でしょうか?

あと、第1話でちょっと引っかかったのが「無愛想な人ほど信用出来て、愛想の良い人は信用出来ない」っていう、あまりに短絡的な決めつけ方。ヒロインである西内まりやさんに「私、愛想が良くてとっつきやすい人、嫌いなんです」とまで言わせてる!

そんなバカな話がありますか? 愛想が良かろうが悪かろうが、信用出来る人は出来るし、出来ない奴は出来ないですよ。確率的にはもしかしたら、愛想の悪い人に裏切られる事の方が多いかも知れない。

そうじゃなくて、愛想の悪い人に裏切られるよりも、愛想の良い人に裏切られる方が、ギャップがある分だけショックが大きいって事でしょう?

それを、あたかも「愛想が良い奴ほど人を裏切り易い」みたいな言い方されて、全国の愛想の良い人がどれほど傷つくか、分かってて脚本書いてんのか?って言いたくなります。

私自身、たぶん平均よりも愛想の良い人間ですからね。だけど人を裏切ろうとか騙してやろうとか、考えた事も無いですよ。結果的にそうなっちゃう場合はあるにせよ、愛想の良い悪いは全く関係ない。

正直言って、なんという頭の悪い脚本なんだ!?と思いました。あんな台詞を書く脚本家も、それをスルーしちゃうスタッフもキャストも全員、頭がおかしいんじゃないの?って。

ちょっと引っかかった、どころじゃないですねw 私はどうやら、本気で怒ってるみたいです。つくづく、香取くんとは相性が悪い。

このドラマの現場で、一番パワーを持ってるのは誰あろう、香取くんですよね? ディレクターよりもプロデューサーよりも、たぶんSMAP(当時)が一番偉いだろうと思います。

だから上記の台詞も、香取くんが言わせてるようなもんです。大いなる力には大いなる責任が伴うって、スパイダーマンも言ってましたw いやホントに、笑い事じゃないです。

当時、SMAPを咎める人は芸能界にいなかったでしょうから、ご本人たちが自分で「裸の王様」にならないよう、常に心掛けなきゃいけません。

ちなみに「Smoking Gun」とは硝煙が立ち込める拳銃、すなわち発砲したことが明らか=決定的証拠という意味。ほんと、タイトルだけは格好良いんだけど……
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「青天の霹靂」 | トップ | 『ホワイト・ラボ/警視庁特... »

コメントを投稿