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1980年の11月からテレビ朝日系列の月曜夜8時枠で全26話が放映された、松平 健 主演による刑事ドラマ。制作はテレビ朝日&勝プロダクション。
当時、杉 良太郎さんの『大捜査線』と二大時代劇スター対決!ってことで話題になったけど、両方パッとしないまま散りましたw
ちなみに、この年リアルタイムで放映されてた刑事ドラマは他に『太陽にほえろ!』『Gメン'75』『特捜最前線』『西部警察』『噂の刑事トミーとマツ』『大空港』『鉄道公安官』『爆走!ドーベルマン刑事』『大激闘/マッドポリス'80』『87分署シリーズ/裸の町』『非情のライセンス』『警視―K』と、まさに百花繚乱、粗製乱造、そのほとんどがアクション系というパラダイスの時代でした。
そんな中で『走れ!熱血刑事』は、最も地味な存在だったかも知れません。内容はともかく注目度の点で、少なくとも我々世代(当時のティーンエイジャー)には無視されてました。
まず『走れ!熱血刑事』っていう、ベタにも程がある番組タイトルからして、創り手のやる気を疑わずにいられません。当時の感覚でも相当ダサいですw
で、別に少年係でもなさそうなのに、なぜか未成年絡みの事件ばかり扱ってる。当時、校内暴力が社会問題になって『金八先生』がヒットした影響かも知れませんが、当然ながらゲスト出演者が芝居の拙いガキンチョばかりになっちゃうもんで、クオリティーに難ありです。
少年犯罪を扱うとなれば『大捜査線』みたいにハードかつビターな展開は期待すべくもなく、お涙頂戴のくっさい青春ドラマになりかねません。
実際、第1話のクライマックスは主人公=山本大介(松平 健)とメインゲストの不良少年が川辺で殴り合い、最後に笑い合うという、一番やっちゃいけないパターンで収束しちゃいました。
なんで、こんな事になっちゃうのか? 先発の『大捜査線』がコケたのを見て、無難に当てに行ったんでしょうか?
杉良太郎ファン、つまりアダルト層しか相手にしなかった『大捜査線』に対して、この『走れ!熱血刑事』は若い連中にも松平健を好きになってもらおうっていう、媚びを感じずにはいられません。パトカー仕様のカスタム・ジープなんかも子供騙しに見えちゃいます。
どれくらい真剣に練られた企画なのか、我々には知る由もないけれど、杉サマの『大捜査線』にはあった「迫力」がこのドラマには感じられません。
爽やかだけにクールな魅力に乏しく、アクションが飛び抜けて上手いワケでもなく、拳銃も全く似合わないマツケンさんに、若い視聴者がなびくワケないんですよね。そもそもコンセプトが間違ってる、としか言い様ありません。
実はマツケンさん、『太陽にほえろ!』の新人刑事候補の1人だったそうですが、落とされて大正解。その直後に『暴れん坊将軍』でブレイクされるワケですから、マツケンさんご自身にとってもラッキーでした。
そんなマツケンサンバを囲むレギュラーキャスト陣は、デカ長の宍戸 錠を筆頭に、水沢アキ、坂上二郎、荒木しげる、阿部敏郎、竜崎 勝と、刑事ドラマでお馴染みの面々。安心感はあるものの新鮮味がありません。
とまぁ、悪口ばっか書いてますけど、あまりに力作すぎたライバル『大捜査線』や、同じ勝プロ制作による怪作『警視―K』よりも一般的には観やすいドラマで、その無難な感じが私みたいなマニアには物足りなく感じちゃうんだろうと思います。
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