ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『電人ザボーガー』2011―2

2020-05-12 22:22:12 | 特撮ヒーロー










 
リブート映画『電人ザボーガー』の後半=第2部は、25年経って熟年期に入った大門豊(板尾創路)が主役となります。

第1部で若き秘密刑事だった大門(古原靖久)は、与党総裁候補の悪徳議員(木下ほうか)をガードすることに疑問を覚え、保身しか考えない警察上層部にも失望し、そしてテロ組織であるシグマ団の幹部=ミスボーグ(山崎真実)と愛し合うに至り、ついに任務を放棄し、そのせいでザボーガーとミスボーグが戦って両方が爆死するという悲劇を招いてしまいました。

それで秘密刑事の任務を解かれ、25時経った現在、総理大臣となった悪徳議員のお抱え運転手として日銭を稼ぐ大門は、クビにされそうになると土下座して許しを乞うという、ごく普通の熟年男に成り下がっているのでした。

これが大人になるという事ですよね。自分だけは絶対そうはならないって、若い頃は誰もが思ってるけど、ならずに済むのはほんの一握りの選ばれし天才か、コネを持ったエリートだけ。それが現実です。

一方、シグマ団の首領=悪ノ宮博士(柄本 明)は老衰と闘いながら、今でも頑張って悪事を続けてました。彼が25年間コツコツと造り上げて来たのは、全ての人間の営みを破壊する悪魔の巨大ロボ、その名もジャンボメカ!w

で、あとは新幹部の「レディボーグ」ことAKIKO(佐津川愛美)を合体させれば完成!ってところで、AKIKOは脱走してしまう。彼女の行く先は、運転手をクビになって無職となった大門豊が、寂しく独りで暮らす安アパート。

そう、AKIKOは大門とミスボーグが愛し合い、チョメチョメして出来た娘。ミスボーグが爆死した時、悪ノ宮博士が彼女の子宮を取り上げ、密かに育てて来たのでした。

さらに、ミスボーグと共に四散した筈のザボーガーも、悪ノ宮博士により悪の手先として甦ります。そしてそれを操る若き新幹部=秋月(宮下雄也)はAKIKOの双子の兄、すなわち大門の息子。

というワケで、父、娘、息子による『スター・ウォーズ』的三つ巴のバトルが展開。クライマックスは、いよいよジャンボメカと合体させられてしまったAKIKOが東京を破壊し始め、それを阻止すべく大門が泣く泣く、味方に戻ったザボーガーと共にジャンボメカを破壊するという展開になります。

そもそもAKIKOが敵アジトから脱走して大門に会いに来たのは、父親の手で自分を抹殺して欲しかったから。その願いが叶い、あの世でお母さん=ミスボーグと対面したAKIKOは、サイボーグとしての機能を失い、今度は普通の人間として人生をやり直すことになるのでした。

不覚にも、私は泣いてしまいましたw リアリティーが無くても、バカバカしくても、真にエモーショナルな物語、特に引き裂かれた親子のストーリーには、人を泣かせる力があるんですよね。

佐津川愛美さんの好演に因るところも大きいけど、何より落ちぶれた大門豊の姿に私は共感しか感じませんでしたw そこにリアリティーがあるから、どんなに現実離れした設定や展開があっても気持ちが冷めないワケです。

例えば刑事ドラマを語る時に、やれ現実の警察はそんな事しないだの有り得ないだのとマニアたちが挙げつらうリアリティーなど、屁にもならないっていつも言ってるのはそういう事です。キャラクターの気持ちや言動が、現実に生きてる我々のそれとシンクロしさえすれば、あとは嘘八百でも何でもいい。

この第2部は板尾創路さんが主役という事もあり、おばか要素がパワーアップして井口監督カラーがより強くなると同時に、ロボットバトルが『アベンジャーズ』ばりのスピード感&迫力に進化しており、そういう部分でも時代の流れを感じさせる作りになってるのが、また面白かったです。

オリジナルの『電人ザボーガー』自体が比較的マイナーかつB級テイストの番組であり、だからこそB級映画で腕を磨いて来られた井口監督の持ち味とバツグンに相性が良かった、っていうのも大きいかと思います。

これは昭和のヒーロー物をリメイクした数多の作品の中で、極めて稀な成功例と言えるんじゃないでしょうか?

セクシーショットはもちろん、レディボーグこと大門アキコをキュートに演じられた、佐津川愛美さんです。
 


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