2011年秋に公開された、井口昇 監督&脚本による日本映画。1974年から'75年にフジテレビ系列で放映された、ピー・プロダクション制作による特撮ヒーロー番組『電人ザボーガー』のリブート作品です。
「犯罪組織シグマ団 対 警視庁及び秘密刑事・大門豊との戦いを、シグマ団のロボット 対 大門が乗るオートバイが変形するロボット・電人ザボーガーとの戦いを交えて描く」という基本設定を、各キャラクターとそのファッション、メカデザイン等も含め、ほぼ忠実に再現しちゃってるのがまず凄い!
そうすることで何が起きるかと言えば、笑いなんですよねw 私はオリジナルを本放映時には観てなかったけど、最近になってCATVで何話か観て、あまりに熱すぎる大門 豊(山口 暁)のキャラクターと大袈裟なアクションに、やっぱり笑っちゃいましたw
もちろん今の時代に観るからこそ笑うワケだけど、あそこまで暑苦しいと多分、子供時代にリアルタイムで観たとしても笑うと思いますw
普通、それを今リメイクするとなれば、現代の価値観に合うよう(つまり笑われないよう)イジっちゃうワケです。最近レビューした『鉄人28号』や『仮面ライダー THE FIRST』みたいに、そうやって失敗した作品は枚挙に暇ありません。
イジっちゃダメなんですよ、絶対に! 特にヒーロー物は!
イジって成功した例はほぼ皆無に等しいのに、そして三池崇史監督の『ヤッターマン』みたいに完全再現、つまり「イジらない」道を選択した作品は見事に成功してるのに、それでも多くのリメイク、リブート作が同じ失敗を延々と繰り返してる。バカなのか? いい加減、学べよ!って言いたいです。
もう1本、イジらないことで大成功した例が、アニメ映画の『マジンガーZ/INFINITY』です。メカデザインだけは「実際に動けるように」アレンジしたけど、それ以外の設定は旧作そのままに、リメイクではなく「続き」を描くことで見事にファン(少なくとも私)のハートをがっちり掴んでくれました。
この『電人ザボーガー』も、同じ発想からスタートしたようです。オリジナルから25年経って熟年世代になった大門豊(板尾創路)を主人公に、シグマ団VS警視庁「その後」の戦いを描く。
だけど旧作ファンだった井口昇監督が、若い頃の大門も描きたいと言い出されて、この映画は青年期(つまり昭和)パートと熟年期(現在)パートから成る2部構成になった。今回の画像は前半の青年期パートです。
井口監督がなぜ青年期も描きたくなったかと言えば、それは「笑えるから」に他ならないと思いますw だって井口監督だからw(おばか映画の名手です)
で、どうすれば一番笑えるかと考えれば、答えは1つ。何も変えず忠実に再現することw これは決してオリジナルを馬鹿にしてるワケじゃなくて、笑えるからこそ『電人ザボーガー』は魅力的なんだってことを、番組ファンだった井口監督がよく心得ておられるからに違いありません。
『炎神戦隊ゴーオンジャー』で主役を演じ、NHK『あさイチ』のリポーターとしても活躍中の古原靖久くんが、あの涼しげなルックスで若き日の大門=山口暁さんの暑苦しさを見事に再現してて素晴らしいですw
で、そんな大門と不覚にも恋に落ち、チョメチョメして子供まで宿してしまう敵幹部「ミスボーグ」に扮した、元グラビアアイドル・山崎真実さんの吹っ切れぶりがまた素晴らしい! 調べたら山崎さんも『轟轟戦隊ボウケンジャー』で悪役を経験されてるんですね。まさに鉄壁のキャスティング!
ほか、ザボーガーを造り上げた豊の父=大門博士に竹中直人、シグマ団首領の悪ノ宮博士に柄本明、警視庁の新田警部に渡辺裕之、議員に木下ほうか、そして次回ご紹介予定のレディボーグことAKIKOに佐津川愛美、といった豪華布陣。
これは面白いです。私は大好きです。だけどバカバカしいのがお嫌いな方には、この面白さは理解出来ないだろうと思います。その方が幸せかも知れませんw
とにかく、リメイクするなら下手にイジらないこと。そしてバカをやるなら徹底してマジメにやること。それが鉄則。
井口監督は時にやり過ぎて私を冷めさせちゃうけど、この『電人ザボーガー』に限ってはオリジナルに敬意を払い、よく我慢されてると思いますw
いや、ヒーローたる主人公が敵の戦闘員をバイクで撥ね飛ばし、わざわざUターンして更に2回轢いたり、ミスボーグとのラブシーンでは思いっきりディープキスしたり等w、明らかに井口イズムが暴走してる場面もあるんだけど、そういう部分も含めて私は好きです。(もし私が監督したら似たような事しちゃうと思いますw)
いや~、これはいいです。面白い! セクシーショットはもちろんミスボーグ役の山崎真実さんです。
素晴らしいです!
もうちょっとエロが欲しかったです!笑
いまいろんな邦画のアクションを断片的に見ていますが
時代がかわってしまったのでこの手の作品が絶滅しないことを
祈るばかりです!