この時期(1967年=昭和42年の4月)より、それまでモノクロだった『特別機動捜査隊』がカラー放送に切り替わったそうです。
当時は誰しも喜んだであろうテレビのカラー化だけど、今こうして観返すとモノクロの方がスタイリッシュで格好良いですね。特に本作みたいなフィルム撮りの「テレビ映画」は。
4月19日に放映されたこの第286話(脚本=横山保朗/監督=北村秀敏)のサブタイトルは『女と赤電話』。
たしかに赤電話(公衆電話)が印象的に使われてはいるけど、それが深い意味を持ってるワケでもなく、たぶんカラー放送であることを強調したかっただけでしょう。
カラー化でそれくらい沸いてた世間の空気を、私はうっすら憶えてるような気がします。当時1歳半ぐらいだけど。
警視庁特捜隊’67・立石班のメンバーは、立石主任(波島 進)、橘部長刑事(南川 直)、荒牧刑事(岩上 瑛)、桃井刑事(轟 謙二)、岩井田刑事(滝川 潤)、松山刑事(松原光二)。
さらに今回から、事務員として佐藤敏子さんもレギュラーに加わります。
お茶汲みが主たる役目のようで、そういうマスコットガール的なポジションも当時からあったんですね。
さて今回は、少年院から3人の少女(桑原幸子、河崎いち子、桜井詢子)が脱走するシーンで幕を開けます。
それを手引きしたのは大塚(近藤 宏)という卑劣なヤクザ者で、彼女らを売春組織に売り飛ばすのが目的だった。
その大塚が他殺死体で発見されたもんで、立石班が少女たちの行方を追います。
↑少女をとっ捕まえて、なぜかニヤつく松山刑事w めちゃくちゃ真面目な番組なのにw
で、少女たちは結局シロで、真犯人は津島(入江洋佑)というバンドマンだった。大塚に弱みを握られ、囲われてた圭子(生田三津子)という女と恋に落ち、彼女を救おうとして大塚と揉み合い、弾みで殺しちゃった。
だから2人は別れを決意し、せっかく毎晩チョメチョメしてつくった子供を堕ろそうとするんだけど、やっぱり出来なくて、産婦人科から2人で逃げ出したところに、立石班の刑事たちが迎えに来るという、なんとも切ないラストシーン。
相変わらず刑事側には何のドラマも無いんだけど、少女たちの脱走からバンドマンの悲恋へと繋がっていくストーリーは面白く、意外性もあって見応えありました。
何より、女優陣が華やかなのが素晴らしい!
小川万里子、蔵悦子、松風はる美、古賀京子、三谷幸子、水沢麻耶、池田朱実、岩本好恵、石橋暁子etc…といった女優さん達に加え、特別出演として小桜姉妹(明子と康子)という、おそらく当時売り出し中だったデュオまで登場し、歌声を披露してくれてます。
しかし私にとっての白眉はやっぱり、ザッツ昭和!なロケーション。都心とは思えない素朴さ、泥臭さがたまりません!
今回のセクシーショットは、脱走少女3人組のリーダー格=ゆり子を演じた桑原幸子さん、当時19歳。子役から活躍され、東京12chのお色気アクションドラマ『プレイガール』(’69~’73) のレギュラーメンバー、原幸子役で注目された女優さん。
『特別機動捜査隊』は第159話にも登場されており、刑事ドラマは他に『鉄道公安36号』や『非情のライセンス』第1シリーズ等にもゲスト出演。ですが今年の春、心不全で亡くなられたそうです。合掌。
鉄道マニアの人と話すと、魅力のあるのは国鉄時代なんだそうです。今の鉄道は皆同じでつまらないと、息子のような歳の若い人も言いますw。今は何でもドングリの背比べみたいに、コントロールされた物しか世の中に出て来ないからなんでしょう。
これからを生きる若い人らには申し訳ないけど、明るい未来がまったく想像つきません。我々は、最も良い時代に青春を過ごせた、本当に恵まれた世代だと思います。
挑戦も冒険も一切しなくなった今のテレビ番組は、ツッコミどころが無い分つまんないです。だから余計に昭和が輝いて見えるんでしょうね。
それこそリアルタイムで見ていました。派手さはないし、刑事役の俳優も地味だが、こういうドラマが最近は皆無なので若い人には理解し難いようだ、が、DVD
(全6巻すべて)を買って改めて見ると、ドラマの造り方が良く、面白い、最近のドラマは主役があまりにも目立ちすぎてつまらないので、あまり観ません。