2013年の秋シーズン、TBS系列の金曜夜10時「金曜ドラマ」枠で全10話が放映された、リチャード・ウー&コウノコウジによる人気コミックを原作にしたミステリードラマ。
長瀬智也扮する神奈川県警刑事部・捜査第二課黒河内班班長の黒河内(クロコーチ)警部補は、政治家や実業家たちのスキャンダルを握り、それを揉み消すのと引き換えに裏情報や賄賂を受け取る筋金入りの悪徳刑事。
そんな「県警の闇」と呼ばれる黒河内を監視(内偵)すべく、当時絶賛売り出し中だった剛力彩芽ふんする捜査一課の新人キャリア=清家警部補が相棒役を命じられ、彼について回ることになります。
2011年の刑事ドラマ『悪党』がチームぐるみでやってた違法捜査の数々を、本作では黒河内が全部1人でやっちゃう。それを長瀬智也くんが思いっきりアクの強い芝居で、生き生きと演じてるのが見ものです。
もちろん、彼の真の目的は正攻法じゃ裁けない巨悪の駆逐で、政治家の犯罪隠蔽に手を貸したりするのも、全てはその背後に潜む大物を追い詰める為の計算。
最初は黒河内を告発する気満々だった見せかけの相棒=清家も、やがて彼の真意を理解し、本物のバディになっていくのでした。
そんな二人が立ち向かう警察庁出身の県知事=沢渡(渡部篤郎)が、どうやら昭和43年に日本中を震撼させた「三億円事件」と深い関わりがあるようで、本作は戦後最大の未解決事件の真相にも迫っていく、なかなか骨太にして大胆なストーリー。大人の男が観ても楽しめる数少ない連ドラと言えそうです。
だけど基本的には謎解きドラマだし、話はなかなか前に進まないし、肝心な所で詰めが甘い黒河内(そこで解決したら話が終わっちゃうからっていう作劇上の都合)にイライラさせられる事も多く、私はいまいち乗れませんでした。
だから本筋よりも、まだ初々しい剛力彩芽さんのエリート刑事っぷりが見もので、その凛とした佇まいと愛らしさとのギャップに眼が釘付けになります。
年齢を重ね、場数を踏んでも衰えないその透明感は、日本エンタメ界の至宝だと私は思うんだけど、目立ちたがり屋のIT社長なんかとくっついたばかりにテレビでお見掛けしなくなっちゃったのは残念なことです。
そんな剛力さんに、香椎由宇さん扮する科捜研の女が、毎回意味もなく接近してセクハラする描写もツボでした。なのに、途中で香椎さんが第2子の妊娠(夫はオダギリジョーさん)を理由に降板しちゃうんですよね。
代わりに第4話から芦名星さんが同じポジションで登場し、別キャラにも関わらず剛力さんへのセクハラ趣味は引き継いでくれて安心しましたw
そんなお遊び演出が活きるのも剛力さんの透明感があればこそで、この逸材を芸能界から奪ったIT社長がつくづく恨めしい。とっとと(そして永遠に)宇宙へ行きなはれ。
ほか、捜査一課長に小市慢太郎、監察官に大地康雄、刑事部部長に利重 剛、本部長に風間杜夫といったレギュラー陣に、森本レオ、石丸謙二郎、名高達男、山本 學、いしだ壱成、奥田恵梨華、小出恵介、板尾創路etc…といったゲストたちが絡んでいきます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます