2012年の冬シーズン、日本テレビ系列の木曜深夜「木曜ミステリーシアター」枠で全13話が放映された、読売テレビ制作による40分枠の刑事ドラマ。滝田務雄さんの警察小説『田舎の刑事シリーズ』を原作とし、大宮エリーさんが全話の脚本を担当。
片田舎の小さな警察署を舞台に、板尾創路さんがクールな敏腕刑事=黒川鈴木を演じてます。その着想の面白さが全て、ではないでしょうか?
謎解きメインの刑事物なんて、舞台設定とキャラクター造形=世界観でしか個性を発揮しようが無い(それを除けばどれも同じ)ですから、そこでツボを外したら、もうアウト。
板尾さんがオチャラケ抜きで知性派デカを渋く演じる分、部下の白石刑事=田辺誠一さんが弾けたキャラで笑いの要素を引き受け、仲の悪い両者に挟まれ翻弄されるスタンダードな若手刑事=赤木を、当時売り出し中だった田中 圭くんが演じてます。
放映当時は三人の食い合わせがイマイチ良くない気がして初回しか観なかったんだけど、今あらためて第4話まで観てみると、じわじわ染み込んでくる可笑しみが結構クセになります。
田辺誠一さん演じる白石刑事がとにかくアホでw、渋くキメてる黒川に茶々を入れ、ペースをかき乱す役割なんだけど、警察官としてあまりに不真面目だしアホ過ぎて、当時は不快に感じたんですね。
だけど今となっては、田辺さんの卓越したコメディーセンスがこれほど存分に発揮された作品は珍しいし、決してでしゃばらない田中圭くんの名アシストぶりもさすがだし、何より板尾創路さんの敏腕刑事ぶりに違和感がまったく無いのが逆に笑えます。
良家のお嬢様なのに安月給の黒川と結婚し、きっつい毒を吐きながらもエコノミー生活に堪え忍ぶ妻=静江に扮した鶴田真由さんのコメディエンヌぶりも見もので、基本はありがちな謎解きストーリーでも決して退屈はしません。40分枠(正味30分)で展開も早いですからね。
交通課婦警に藤本 泉、署長に斉木しげるが扮するほか、毎回のゲストも釈由美子、熊切あさ美、中村ゆり、佐藤寛子、三津谷葉子、岩佐真悠子、高橋かおり、酒井若菜といった美女たちに、遠藤章造、中川礼二、木村祐一、ぼんちおさむ、品川 祐、山崎邦正といったお笑い畑の人らが悪役として絡む構図も楽しく、飽きが来ません。(吉本興業が制作協力に名を連ねてます)
こういうユニークな作りなら、謎解きドラマも決して悪くありません。テレビ番組は今や、より自由度の高い深夜枠の方が確実に面白いですね。
セクシーショットは、黒川いきつけの居酒屋で働くバイト娘に扮した、ファッションモデル出身でAKBオタクの岩崎名美さんです。
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