2016年新春、大阪・森ノ宮ピロティホールにて観劇。出演は多部未華子、古田新太、りょう、吉田鋼太郎etc…
う~ん、なるほど……って感じですw 我らがタベリスト・マスターであられるヤマリン王が、東京で一度鑑賞し、今回の大阪公演にはあまり気乗りされてなかった、その理由が解る気がしました。
過去に観させて頂いた多部ちゃんの舞台『サロメ』『わたしを離さないで』『キレイ』で味わった高揚感や余韻が、今回は見事に無かったです。
原発事故の問題が背景にあるらしく、汚染されたと見られる地域で生まれた、奇形と思わしき双子の赤ちゃんと、2人を取り巻くファミリーの数日間が描かれてました。
まず、脚本が平坦で演出も単調で、山場が無いもんだから何度も睡魔に襲われ、耐えきれず眠りに落ちたらその間に終わっちゃいました(泣)。
そのラストシーンで双子が奇形だったことが判明するらしいんだけど、ヤマリン王が仰ってた通り、だから何?っていう感想しか浮かんで来ません。放射能は怖い、原発反対!って、そんな当たり前のことを訴える為の舞台なんでしょうか?
例えば双子の若い父親が、我が子を抱くことも正視することも出来ない、みたいな描き方からして凡庸で、サプライズが無いんですよね。
ストーリーに全く影響しないユーモア、小ネタの1つ1つにもセンスが感じられず、古田新太さんや多部未華子さんが演じるからこそ笑えるレベルで、なんだか底が浅い。本当は深いのかも知れないけど、解説なしで読み取ることは難しそうです。
たぶん、原発問題とか奇形うんぬんは背景に過ぎず、本当に見せたかったのは「現代の家族の在り方」なんだろうな、とは思います。特に、父親の在り方。(子育てに背を向ける父親とか、暴力でしか相手を説得出来ない父親とか)
仮にそうだとしても、やっぱり行き着く先には「だから何?」っていう感想しかありません。
せめて、キャスト陣の新しい魅力を発見する何かがあれば良かったけど、台本の「あて書き」がかえって役者を型にハメちゃった気がします。多部ちゃんにしろ吉田鋼太郎さんにしろ、演じるキャラクターが既視感に溢れてました。
これでは、もはやナマ多部ちゃんに免疫がついてちゃってる、我々タベリストの心は動かせません。中でも百戦錬磨なヤマリン王のモチベーションが急降下しちゃったのは、まぁ当然の結果と言えましょう。
せめて、りょうさんが全裸のお尻を見せてくれるべきでした。
ヤマリン王とゴンベ王と私による1年ぶりの国際タベリスト会議も、この舞台に関して喧々囂々って事にはならなかったですね。語りたくなる材料に乏しい舞台でした。
その分、ネット上には書けない事も含めて、色んな話題について討議出来たのは良かったです。今回も本当に楽しいひとときを有難うございました。(次回こそパープリン王子も是非!)
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