2016年の冬シーズン、NHKのBSプレミアムにて第1シリーズ全6話が放映された特集ドラマ。
さらに'17年初夏に第2シリーズ『クロスロード/声なきに聞き形なきに見よ』全6話、'18年末に第3シリーズ『クロスロード3/群衆の正義』全6話が放映されてます。
なんと、刑事=舘ひろし、新聞記者=神田正輝という、昭和の刑事ドラマを愛する者を狙い撃ちしたようなキャスティング。
舘さんの刑事役は言わずもがな、神田さんもデビュー作(そして石原プロモーション初のTVドラマ)『大都会/闘いの日々』における役柄が新聞記者(石原裕次郎さんの部下役)でした。
さらに小野武彦、平泉 成、西村雅彦、高島礼子、中村玉緒、徳重 聡、宮下裕治、勝野 洋、竹中直人と、共演陣は刑事ドラマの常連さんばかり。脚本を担当されたのも金子成人さんに大川俊道さんですからね!
舘さんは映画『さらばあぶない刑事』で10年ぶりに柴田恭兵さんとのコンビを復活させ、さらに続けて神田さんと『ゴリラ/警視庁捜査第8班』のコンビまで復活させちゃったワケです。(共演は『西部警察SPECIAL』以来12年ぶり?)
ただし、コンビと言っても今回はバディ物じゃなく、どちらかと言えば敵対する関係。『ゴリラ』でコンビネーションがしっくり来なかったもんで(?)、あれ以来2人は敵対する役柄ばかりw(だけど一緒に仕事してるんだから、仲が悪いワケでもない)
かつて舘さんは本庁の刑事、神田さんは大手新聞社の記者で、お互いエリートコースを歩んでたのに、舘さんが捜査本部の誤認逮捕に気づき、それを神田さんが無断ですっぱ抜いたもんだから、2人は訣別し、それぞれ窓際部署へと追いやられて行く。
で、そんな2人が偶然、同じ町で仕事することになり、25年ぶりに再会する。25年前と言えば、ちょうど『ゴリラ』が放映されてた時期ですよ! やっぱりあの仕事がマズかったw 何もかも谷川竜のせいです。
舘さんは妻を亡くし、神田さんは愛娘(北乃きい)に疎まれて、ちょっと寂しい晩年を迎えようとしてる。
そうなった原因は25年前の事件にあり、再会した事によって2人がそれぞれ過去の傷と向き合い、ケリをつけて前向きな気持ちを取り戻していく。つまり『あぶデカ』や『ゴリラ』とは全然違う、むしろ石原プロの原点『大都会/闘いの日々』に回帰したような渋い人間ドラマ。
舘さんも神田さんも歳を重ね、経験も積んで、そういう芝居がサマになるようになられたんですよね。
特に舘さんは、永遠にスーパーマンの役しか似合わないだろうと思ってたのに、枯れた普通人の役に違和感を感じさせなくなってます。演技力が格段に向上してるのを『さらばあぶない刑事』でも実感しました。
神田さんはまぁ、良くも悪くもあんまり変わらないw 元より強烈な個性を持った人じゃないから、舘さんのアクが抜けてきた分、2人のバランスがちょうど良くなった気がします。
石原プロ作品をずっと観て来た者としては『大都会』シリーズの坊さん(小野武彦)と神田さんが今回どう絡むのか?とか、署長役の徳重聡くんに舘さんがペコペコする姿とかw、ストーリー以外にも見所が多いです。
もちろん、じっくりと人間を描いた良質のドラマですから、刑事ドラマファン以外にもオススメ出来る作品です。
セクシーショットは第2シリーズで神田さんの後輩ジャーナリストに扮した、栗山千明さんです。
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