ディアゴスティーニ・ジャパン社から隔週刊『Gメン'75 DVDコレクション』が絶賛発売中! 全355話を119刊(各3話)に分けて完全収録、そのうち274話は初のDVD化なんだそうです。凄い! けど、買わない!w
と言いつつ、私は第1話をまだ観たことが無かったので、特別価格499円の増刊号だけは買いました。第2号からは1,799円となります。
第1話『エアポート捜査線』(脚本=高久 進/監督=鷹森立一)は1975年5月24日、TBS系列の夜9時枠で放映スタート。以降、番組は'82年まで7年間のロングランを果たすことになります。
最初期のGメンは黒木警視(丹波哲郎)を筆頭に、関屋警部補(原田大二郎)、草野刑事(倉田保昭)、津坂刑事(岡本富士太)、響刑事(藤田美保子)、山田刑事(藤木 悠)というメンバーに、協力者として本庁の小田切警視(夏木陽介)も絡んで来ます。
さらに、川地民夫、寺田農、室田日出男、田中真理、田中浩、中田博久etc…といった豪華かつ濃厚なゲスト俳優たちが次々登場するこの第1話は、前回レビューした『大空港』第1話にも負けないパワーとスケールを感じさせます。
『ダーティハリー』ばりに暴走バスの屋根にしがみつく倉田保昭さんや、『フレンチ・コネクション』ばりにモノレールを激追するカーチェイス等、アクションの見せ場もたっぷり。やっぱ大ヒットする作品は最初から気迫が違う!
ストーリーは、スチュワーデス暗殺事件の裏に麻薬密輸組織の匂いを嗅ぎ付けた、本庁捜査一課の関屋&津坂、三課の草野、四課の山田、そして外事課の潜入捜査官=響と、彼女を動かす謎のキイハンター=黒木警視らがそれぞれ別個に動き出し、最終的にGメンを結成するという展開。
偶然が偶然を呼びまくり、悲劇が更なる悲劇に連鎖していくチョー強引な『Gメン』節はもちろん初回から大炸裂! そしてもう1つの特色であるハードボイルド、情け容赦の無さじゃ西部警察やマッドポリスにも負けないGメンの「取調べ」という名の「拷問」もさっそく見られます。
運び屋の1人=恩田(室田日出男)に防弾チョッキを着させ、至近距離から左胸に弾丸をぶち込む黒木警視の無表情ぶり!(あの距離だと防弾チョッキ越しでも死ぬと思いますw)
「今度は防弾チョッキ無しだ。お前のようなウジ虫が1匹消えて無くなったってな、世の中はザワともしない」
そんなセリフを吐く丹波哲郎さんの棒読みぶり! この冷酷さに比べりゃ西部署の暴力尋問なんて温かいもんですw
そうそうたるゲスト陣の中でも、ひときわクールで強い印象を残すのが、ロングバレルのルガーP08を愛用する、ゴルゴ13並みに無口な殺し屋「北斗」を演じた寺田農さん。
特に銀座の雑踏内で、室田日出男さんに手際よく弾丸をぶち込む場面が超クール! 私は悪役に肩入れすることは滅多に無いんだけど、これにはシビれました。しかし2回も至近距離から撃たれちゃう室田さんがあまりに気の毒ですw
そして、そうとは知らず麻薬密輸に加担してしまい、口封じに消されパンチラまで見せちゃう美人スチュワーデス=節子(田中真理)は、今回の主人公=関屋警部補の婚約者だった!
勿論それだけじゃ『Gメン'75』は終わりません。
裏で糸を引いてた黒幕は、関屋がずっと敬愛して来た節子の兄=警視庁の朝倉警部(川地民夫)だった!
これがGメン節です。点と点と点を強引に結びつけ、二重・三重・四重の悲劇を用意し、出てくるキャラ全員をとことんまで不幸にした挙げ句、なんの救いもなく突き放すように終わっちゃう。
私はそんな『Gメン'75』の作劇が当時は嫌いだったけど、何でもかんでもハートフルにまとめちゃう昨今の連ドラに飽き飽きしてる今は、逆に新鮮に感じて面白いです。
ラストシーンもまた、黒木警視による血も涙もないセリフが光ります。裏切られた上に婚約者を殺された怒りで、朝倉警部を撃ち殺そうとする関屋をなだめるのに、他の番組のボスなら「お前は刑事なんだぞ!」って言うところを、丹波さんは例によって無表情&棒読みでこう言い放つのでした。
「殺すなよ。1発で殺すには罪が軽すぎる。冷たい独房の中へ放り込んで一生苦しめてやるんだ」
1発で殺すには罪が「重すぎる」が正しい日本語だと思うんだけどw、大霊界はあるんだから仕方がありません。
私は、子供の頃は関根恵子さんの魅力が全然解らなかったけど、大人になってから見ると可愛くて色っぽくてたまりません。変わったというより、ストライクゾーンが広がっただけかも知れませんが……