町に大量の改造拳銃が出回り、その内の1丁を亜弥(松浦亜弥)が通ってる中学校の生徒が購入し、それを没収した先生が虐めっ子を射殺するという、メチャクチャな(だけど2023年現在なら起こりかねない)事件が発生!
亜弥の説教により先生は自首したものの、拳銃密造組織をこれ以上野放しにすれば、犠牲者はもっと増えるだろうし、捜査に関わりすぎた亜弥の命も狙われるかも知れない!
第7話『亜弥、大いに怒る』は、ますます組織撲滅に使命を燃やす松浦警部(三嶋幸恵)と田口刑事(三遊亭亜郎)が、改造銃を購入した疑いの濃いOL=優美(小林優美)を尋問するシーンで幕を開け、そのまま最終回(第9話)まで一気に突き進みます。
「自殺するつもりで買ったんです」
意外にも購入をすんなり認めた優美は、その銃を隠してあるという場所に両刑事を案内するのですが……
どうも優美の様子がおかしい。いち早く異変を察知した警部が、いきなり銃を抜いて部下の顔に銃口を向けます。
「うわっ、どうしたんですか警部!?」
「しゃがんで!」
まるで忍者みたいに忽然と現れた刺客のカオル(高野カオル)が、タイのチョコレート・ファイターも真っ青な鋭いハイキックで、一瞬にして田口を、そして警部の銃を弾き飛ばします。
強い! そこらのチンピラ相手なら決して負けない松浦警部も、正拳突き1発で倒されます。そして……
男らしく背後から攻めようとした田口には、合計7発の廻し蹴りをプレゼント。
静止画じゃそのスピードが伝わらないけど、高野カオルさんはかなり動ける人であり、綺麗だし、時代がもっと早ければアクションスターになられたかも知れません。
で、どうやら優美はオトリだったらしく、最初からこれは松浦警部の捕獲を目的とする密造組織の罠だった!
倉庫内に監禁された警部と田口の前に、いよいよ組織のボスが現れます。果たしてどんな顔をしているのか?
やっぱりこんな顔だった!
「あんたが噂の松浦警部さんか。もっといかつい女を想像してたが、ちょっと可愛いじゃねえか」
ラスボスの正体は、栃木県出身の福山雅晴 ( ホリケン。)! とにかく悪い人なんです。
「安心しろ、暴力は俺の流儀じゃねえ。だが、あんたらが俺たちの組織をどこまで把握してるのか、吐いてもらうよ」
「警部が黙ってる限り、俺の口からは絶対言わねえからな!」
「ふっ、そいつはどうかな?」
松浦警部より田口を攻めた方が早いと見た福山雅晴は、ゆっくりと靴を脱ぎ、さらに靴下を脱いで田口へと歩み寄り、それを彼の鼻先に押し当てるのでした。
想像を絶する悪臭に阿鼻叫喚の田口!
その地獄絵図を、今回もあの人が物陰から覗いていた!
その正体は、他人の不幸を傍から見物するのがとにかく好きだから刑事になった、市原警部補(田中美穂)。松浦警部と同じ山田署捜査一係に所属する仲間なのでした。
一方、受験勉強に専念することを松浦警部に約束し、おとなしく自宅にいた娘の亜弥(松浦亜弥)が、刑事部屋へと駆けつけます。
「お母さんが行方不明って、どういうこと!?」
田口の相棒である岩城(久保和明)をはじめ残された刑事たちが、OLの優美を尋問しに行った警部と田口から連絡が途絶えたこと、そしてその優美が他殺体となって発見されたことを、大いにうろたえながら亜弥に報告します。
「死体で発見されたのがそのOLだけって事は、お母さんたちはまだ生きてるって事だよね? ヤツらのアジトを掴まなきゃ!」
そこでデスクの電話が鳴り、われらがボス=藤堂係長(上原袈裟俊)がクールに対応します。
「なんじゃ、あんたか」
「なにも手掛かりは無いの?」
「無いんだよ……あの2人がいないとオレ、もうダメだよう!(泣)」
ある事件がキッカケですっかり自信を失くした岩城を、ずっと叱咤激励しつつ支えてくれたのが、松浦警部と田口先輩なのでした。
「なに言ってんの、ガンちゃん。私がいるでしょ?」
「亜弥ちゃん……」
女子中学生に励まされ、なんとか泣き止む岩城刑事なのでした。
ところで、係長にかかって来た電話は誰からだったのか?
「えっ、市原さんからだったの?」
「敵のアジトの場所を報告して来よったよ」
「ええっ!?」
「で、どこなんですか!?」
「それは……どこじゃったかの?」
「じじいぃぃーーっ!!!」
係長から何とか記憶を絞り出した亜弥たちは、警部と田口が監禁されてる倉庫へと駆けつけます。
で、覆面パトカーのトランクにありったけ詰め込んだ拳銃を、女子中学生の亜弥が刑事たちに配るのですが……
順番に回してるのを岩城が全部トランクに戻すもんだから、いつまで経っても作業が終わりません。
「ストップ! 終わんないじゃん💢」
おかんむりの亜弥に、仲間の刑事たちが事情を説明します。
「岩城は、拳銃恐怖症なんです」
「そんなの、誰だって怖いじゃん」
「あいつの場合、持つだけでも怖いんですよ。ちょっとトラウマがあって……」
「…………」
亜弥はようやく理解します。田口&岩城のコンビがボンクラなのは、岩城が拳銃を見ただけですくんでしまい、田口がそれをカバーするのに精一杯だったから。
「オッケー♪」
何やら妙案を思いついたらしい亜弥は、自分が岩城のフォローを引き受け、残りの刑事たちを裏口に向かわせます。女子中学生の指示を何の抵抗もなく受け入れる、これぞ真のオトナと言えましょう。
「私が2人分使っちゃお♪」
「そ、そんなの使えるのかよ💦」
「こんな人殺しの道具をオモチャにしてるヤツら、絶対許さない!💨」
またもやスケバン刑事みたいなセリフを吐いて悪の巣窟へと向かう亜弥に、内心で「お互い様だと思うけど」とツッコミを入れながら、やっぱり素直について行くオトナな岩城刑事なのでした。 (つづく)
この第7話で幕を開ける最終3部作が撮影された頃、松浦亜弥さんは売れに売れて多忙を極め、たったの3時間しか現場にいられなかったり等、それまで自主映画でマイペースな撮影しかして来なかったK監督にとってはまさに「プロの洗礼」となりました。
けど、誰よりもしんどかったのは松浦亜弥さんご本人だったはず。当時このドラマを観たあややファンたちは、彼女の眼の下にクマが出来てることをえらく心配してたそうです。
それでも松浦さんは撮影現場でアイドルスマイルを絶やさず、どうやら『太陽にほえろ!』オタクらしい監督が要求する「全力疾走」にも笑顔で応えておられたとか。まさにプロフェッショナル!
劇中の亜弥もカッコいいけど、演じられた「あやや」はもっとカッコいい! リスペクトしてやみません。
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