2012年に公開された、松山博昭監督による東宝映画です。観れば観るほどバカげた内容ですw
甲斐谷 忍さんの人気コミックを松田翔太&戸田恵梨香の主演でTVドラマ化し、劇場版もスマッシュヒットした『ライアーゲーム』の続編。
多部未華子さん出演作の中でも、香取慎吾主演『西遊記』と1、2を争うおバカ映画かと思われますw(両作ともフジテレビの亀山千広氏によるプロデュース)
ある日突然、自宅に現金1億円が届けられ「ライアーゲームに参加しないと現金没収&更に1億円支払って頂きます」というムチャクチャな招待状に、素直に従ってノコノコ集まったおバカな人々の、熾烈なサバイバル&騙し合いが延々と、ひたすら騒々しく描かれるのが、このシリーズのお約束。
もちろん、最後には皆がお互いを信じ、助け合って窮地を脱出するワケだけど、そもそもスタートの時点から「んなワケないやろ~」「んなヤツはおらんやろ~」の連続ですから、全てが絵空事としか感じられません。
そんな世界観の中で唯一、初めて実在感を感じさせてくれたのが誰あろう、我らが多部ちゃん扮するヒロイン=篠宮 優です。
人を疑うことを全く知らない、ある意味スーパーヒロインだった前任の戸田恵梨香ちゃんと違って、優はライバルチームの策略にハマって味方を疑い、裏切り行為に走ってしまう。
それで人を裏切ることの痛みを知った優が、他の裏切り者たちの気持ちに寄り添うことで団結が生まれていく展開には、過去のシリーズには無かった人間味と説得力がありました。
『ライアーゲーム』シリーズの熱烈なファン達には、この優のキャラクターも『再生(リボーン)』という作品自体も、おおかた不評だったみたいです。それは当たり前かも知れません。
だって、この物語世界にはそれまで、優みたいに人間味のあるキャラクターが皆無だったんだから。全てのキャラが一面的なステレオタイプで、もはや記号化されちゃってるのが本来の『ライアーゲーム』なんだと思います。
策略によって勝利を確信したゲーム参加者が、高笑いしてたら負けを宣告され、実は自分こそが策略にハマってた事に気づいてガクッとなる、実に清々しいまでの超ワンパターン展開を演じる為の、全員が駒でしかないんですよね。
キャラクターもストーリーも全てが文字通り「ゲーム」でしかない『ライアーゲーム』を楽しめちゃう人達にとっては、優みたいに生々しいキャラは不要どころか、むしろ邪魔でしかないのかも知れません。
だけど、私は違います。『ライアーゲーム』そのものには全く魅力を感じません。そんな私でも、この『再生』だけは楽しめました。篠宮優という異物がいてくれたお陰です。
もちろん、演じたのが多部ちゃんでなければ、そうは行かなかったかも知れません。私が多部ちゃんを愛してるからってのもあるし、漫画世界と現実世界を違和感なく融合させちゃうのが、女優・多部未華子の真骨頂ですから。
ほか、松田翔太、小池栄子、芦田愛菜、江角マキコ、新井浩文、船越英一郎、濱田マリ、要 潤、野波麻帆、高橋ジョージ、鈴木浩介、渡辺いっけいetc…といった皆さんが出演されてます。
これだけのキャストが揃えば、おバカ映画も単なるおバカじゃなくなっちゃいますよねw そこんとこは素直に「素晴らしい」と思います。
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