2015年に公開された、松岡錠司 監督&真辺克彦 脚本による日本映画。
素晴らしい映画でした。多部未華子さんをメインゲストにキャスティングした点において、この映画は本当に素晴らしい!
別に皮肉じゃなくて、素直にそう思いました。大スクリーンで多部ちゃんの演技を観てるだけで、私は自然と涙が出そうになりましたから。
今回の役は多部ちゃんだからこそ活きるキャラクターだと感じたし、多部ちゃんがこの作品を支えてたと贔屓目抜きで思います。そういう意味じゃ『ライアーゲーム/再生』と同じですよね。
深夜12時から開店する新宿・歌舞伎町の小さな食堂を舞台に、顔に意味ありげな傷痕があるマスター=小林 薫さんと常連客たちが織り成す人間模様。
安倍夜郎さんの人気コミックが原作でドラマ化もされ、松岡監督の念願だった映画化って事ですが、内容的には大スクリーンでわざわざ観るもんじゃないってのが正直な感想です。
登場人物がみんなステレオタイプでお喋りで、テレビ的というより舞台的な会話ばかり続いてどうしようかと思ってたら、最初は何も喋らない多部ちゃん、しかもネットカフェ難民で汗臭い多部ちゃんという異質なキャラが登場してくれて、本当に救われました。
映画は高岡早紀&柄本時生の『ナポリタン』、多部ちゃんの『とろろご飯』、筒井道隆&菊池亜希子の『カレーライス』から成る三部構成なんだけど、「この人は一体どういう人なんだろう」「これからどうなっちゃうんだろう」っていう興味を引いてくれたのは、ホントに贔屓目抜きで多部ちゃんだけでした。
その上、セクスィ~な白いタンクトップ姿、ジーパンの隙間からチラッと見えるピンクのパンティー、ちゃんと意味のあるお風呂シーン等、そういう観客サービスさえ多部ちゃんが1人で担ってますからね!
多部ちゃんに対抗出来た唯一の存在は、ラスト約15分だけ登場して今回一番の笑いを取ってたw、田中裕子さんだけじゃないでしょうか? オーバーアクションに批判もあるみたいだけど、映画自体が「よしもと新喜劇」みたいな世界観ですから、私は違和感なく観られました。
まぁ全体的に良い話だし、観てる間は楽しめました。けど、思い返せば多部ちゃんと裕子さんの印象しか残ってません。
素晴らしいキャスト陣が皆さん素晴らしい演技を見せてくれたんだけど、キャラクターが平凡ゆえ心に引っ掛からないんだと思います。良い話って、ホント記憶に残らないですよね。……それは私だけかw
そんなワケで、一映画ファンとしてはすぐ忘れちゃいそうな作品だけど、タベリストとしては堪能出来ました。小林薫さんや余貴美子さん、オダギリジョー君らと初めて絡む多部ちゃんも新鮮でした。
やっぱり、多部ちゃんは一挙手一投足、台詞の一言一言が本当に素晴らしい。久々に大スクリーンで観て、私はつくづくそう思いました。愛してますw
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