今期、欠かさず最後まで観続けたのは、このドラマだけでした。
本作とセットで観続けるつもりだった小芝風花さんの『モコミ/彼女ちょっとヘンだけど』は、ヒロインのママの悪気ない毒親ぶりが、どうしても観るに耐えなくて断念しました。演じた富田靖子さんのせいじゃなく(とってもリアルなのは富田さんが巧いせいだけどw)、ずっと母親に悩まされながら生きてる私には、フィクションとは言ってもキツいんです。あくまで個人的な事情です。
で、この『書けないッ!?/脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活』はどうだったかと言えば、当然、最後まで欠かさず観たんだからメチャクチャ面白かったです。特に最終回! 私は号泣しちゃいましたw
悩み苦しみ、様々なトラブルに見舞われながらも、なんとか第8話まで脚本を書き続けて来た圭佑(生田斗真)だけど、残すは第9話と最終話のみ!ってところで遂にスケジュールが間に合わなくなり、第9話だけピンチヒッターとしてベテランの職人ライターが起用されることに。
で、そのライターがたった2日間で書き上げた脚本は、誰が読んでも文句のつけようがない出来映えで、圭佑はまた例によって自信を失い、それどころか他人のアイデアが入り込んだせいで「書けないッ!?」病が再発しちゃう。
そうして窮地に陥った圭佑を救ったのは、意外な人物でした。それは、今まさに圭佑が書いてる連ドラ『富豪教師Q』で主演してる、チョー売れっ子俳優の八神隼人(岡田将生)。
私を号泣させたのも実は、ワガママでお調子者で一見おバカさんの、この八神隼人なのでした。彼がいきなり吉丸邸を訪れ、圭佑に投げかけた言葉の1つ1つに、私は「おいちょ待てよ!」じゃなくて「そう! そうなんだよ!」って、首を捻挫するくらい何度も頷き、ヤケドするくらい胸が熱くなりました。
まず、非の打ちどころが無く見えた職人ライターの脚本について、彼はこう言いました。
「いや、巧い脚本だとは思いますよ。でも巧いと面白いは違うんだよな」
そう! それですよ、それ! 私がここ最近の連ドラや映画に対していつも不満を抱き、このブログで愚痴ってる最大の理由がそれなんです!
「どこかで観たようなシーン、どこかで聴いたようなセリフばっかで、オレが喋りたいと思うセリフは1つも無い。どうしてだと思います? 本人が面白がって書いてないからですよ」
その通りッ!!! って、うるさいですか?w でもホント、それが昭和ドラマと昨今のドラマとの決定的な違いなんです。私がいつも口を酸っぱくして言ってる「作品に魂がこもってる」かこもってないかの違い。実は創ってる人たちも自覚されてるんですよね。
いや勿論、例外はあります。この『書けないッ!?』がまさにそうです。なぜ本作がこんなに面白くて、私を最終回まで引っ張ってくれたか、その理由も八神くんのセリフに集約されてます。
「監督もプロデューサーも、番組を成立させる為に仕方なくベテランを呼んだけど、本当は吉丸さんに書いて欲しいに決まってる。だって、吉丸さんのホンには愛がある。主人公への愛がある。登場人物全員に愛がある」
そこそこそこそこ! そこですよそこ!! あたたたたたたたたッ!!
「吉丸さんが書かなきゃ、オレは演らない。吉丸さん。オレたちの仕事は、面白いドラマを創ることでしょ?」
一見おバカさんに見えた八神隼人が、実はクリエイターにとって何が一番必要かを誰より解ってるっていう、この意外性。めちゃくちゃカッコいいし、めちゃくちゃ魅力的!
なぜ我々が八神隼人に惚れちゃうのか? それもまた、この『書けないッ!?』っていうドラマの脚本を書かれてる福田靖さんが、ちゃんと八神くんを愛してるから。ストーリーを展開させる為の単なる「駒」じゃなくて、福田さんご自身の分身として扱ってるから。
もちろん八神くんだけじゃありません。身勝手でテキトーで無責任に見えた番組プロデューサーの東海林さん(北村有起哉)も、最終回では魅せてくれました。
「第9話も僕に書かせて下さい! 最終回も僕に書かせて下さい! 絶対、絶対間に合わせますから! 死んでも間に合わせますからッ!!」
そうして初めて覚悟を口にした圭佑に、東海林さんはこう言いました。
「分かったよ。キミと心中するよ」
実は東海林さん、無意識にかも知れないけど、圭佑からそういう言葉が出るのを、ずっと待ってたんでしょう。途中で他のライターを使おうとしたのは、受け身の姿勢しか見せない圭佑を信用出来なかったから。死ぬ気でやらなきゃ出来ない仕事だからそれは当然のこと。
で、無事に最終回までオンエアされた後、圭佑に「僕には才能があるでしょうか?」って訊かれて、東海林さんはこう答えました。
「10年後だな。キミが10年後もちゃんと仕事やってれば、吉丸圭佑は才能があったって事になるんじゃないの?」
これが意味するのは、私なりの解釈だけど、つまりクリエイターにとって何より大切なのは、創作意欲をずっと変わらず持ち続けること。「死んでもやりますから!」って言えるだけの情熱をキープ出来る人こそが、才能ある人って事じゃないかと私は思います。
とまぁ、最終回で特に光ったのはこの2人、八神隼人と東海林プロデューサーだけど、他の人物たち含めみんな魅力的に感じたのも、福田さんの愛がこめられてるからに違いありません。
ただ1人、家庭教師 兼 アシスタントの仙川っていうキャラだけは「こいつ、要らんやろ」ってw、私はずっと思ってました。演じてるのがジャニーズの人気グループの一員で、たぶん大人の事情で使わざるを得なかったんでしょう。
そういうのもまたドラマ制作の「あるある」で、本来必要ないキャラをいかに上手く活かせるか、魅力的に見せられるかも脚本家の腕の見せどころ。さすがは福田靖さん、あんなキャラでも愛らしく見えるよう工夫してくれました。皮肉とかじゃなくホントに頭が下がります。
初回からずっと面白かったけど、最終回でこんなに泣かされちゃったのは想定外。そんなサプライズもまた、面白いドラマの必須条件です。脚本家を目指してる方はバイブルにすべき作品かも知れません。
セクシーショットは圭佑の娘=絵里花を演じた山田杏奈さんと、出版社編集者=ゆかりを演じた野村麻純さんです。
最終回にこんな見事に決めるとは、です。
生田くん×福田さんだから間違いないとは思ってたけど、見事に上回ってきました!
もう生田くんのでるものは間違いなしって感じになってきましたね。
そしてダブルヘッダー後半のこれに勝るとも劣らずのモコミも最高ですが、ハリソン君は富田さんにやられましたか。
確かに前半の彼女にはイラつきましたね。
まあしょうがないですね。
とにかく風花ちゃんが魅力的でしょうがないですw
多部ちゃんがお休みのなか、5月から始まる果耶ちゃんとどちらがボクにとっての2番手に来るのか、今から楽しみでしょうがないですw
『モコミ』もクオリティーの高さはすぐに判ったのですが、それだけに富田さんが強烈すぎましたw 彼女にああいう役をやらせちゃいけませんw
風花ちゃんと果耶ちゃん、甲乙つけがたいですね。どちらが師匠の二番手になるか楽しみです!