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1979年の4月から10月まで、日本テレビ系列の土曜夜9時「土曜グランド劇場」枠にて全26話が放映された刑事ドラマ。(つまりTBS系『Gメン’75』の裏番組でした)
説明するまでも無いとは思いますが、視聴率40%超えを果たした大ヒット学園ドラマ『熱中時代』のシリーズ第2弾です。(教師編とストーリー上の繋がりはありません)
主演は勿論、前作に続いて水谷 豊さん。刑事役は『夜明けの刑事』で経験済みだけど、後の『ハロー!グッバイ』や『刑事貴族』シリーズ等へと継承される陽気で破天荒な刑事キャラクターの原点は、間違いなくこの『熱中時代/刑事編』だろうと思います。
東京・大門警察署捜査第一係に赴任した新米刑事=早野 武(水谷さん)の成長と、第1話で出逢ったアメリカ人女性=ミッキー(ミッキー・マッケンジー)との恋愛→結婚→新婚生活がコメディタッチで描かれ、刑事物と言うよりは「刑事を職業とする男の国際結婚を描いたホームドラマ」でした。
短気で陽気な係長・潮田が藤岡琢也、子沢山な部長刑事・菅谷が宍戸 錠、ベテラン刑事・矢頭が小松方正、マダムキラー刑事・前原が細川俊之、中堅刑事・間が森本レオ、若手刑事・千馬が谷 隼人、婦警・花江が木内みどり、といった大門署の面々はなにげに豪華キャスト。
さらに武の下宿先のオヤジが伴 淳三郎、その孫娘が神保美喜、潮田係長の娘が竹井みどり、矢頭の妻が片桐夕子、菅谷の妻が宇都宮雅代、そして喫茶店「竹の子」のママが草笛光子、店員が松金よね子と、脇に至るまで華やか&芸達者な顔ぶれが揃ってました。
水谷さんが唄う主題歌『カリフォルニア・コネクション』も大ヒットしましたね。とても憶え易く唄い易いメロディーで、私のカラオケ・レパートリーの1曲ですw
このドラマ、とにかく面白かったです。後の『相棒』みたいな謎解き要素はほとんど無く、新米刑事・早野武の成長過程と私生活の描写に力点が置かれ、なおかつアクティブで、プロレス技を駆使した楽しい格闘シーンが毎回の名物になってました。ただ突っ立って謎解きするだけの杉下右京とは大違いでw、本作を見ると水谷さんの身体能力の高さがよく分かります。
そして、後に水谷さんと本当に結婚しちゃうミッキーとの、可愛くて微笑ましい愛妻ストーリー。実際に撮影現場で愛が芽生えてた事や、残念ながら後に離婚しちゃう現実なども踏まえて観ると、より味わい深いものがあります。(未だにDVD化されないのは、そのせいなんでしょうか?)
とにかくキャストが芸達者揃いで、その掛け合いを観てるだけで面白いですから、事件や犯人はオマケみたいなもの。刑事ドラマがそもそも好きじゃないと仰る方でも楽しめるんじゃないでしょうか。
また、本作でしか見られないミッキー・マッケンジーさんや、まだ初々しい神保美喜さん、竹井みどりさんなど女優陣の可愛らしさも大きな見所になってます。
加えて、水谷豊さん独自のセンスによる「ゴキゲンだぜ!」等の決め台詞、オンボロだけどオシャレな武の愛車=スバル360、伴淳三郎さんのトボケた味わい等、一つ一つの要素が個性的かつ魅力的で、忘れられない作品です。
なお、'79年は他に名高達郎・金子信雄『おやこ刑事』(東京12ch)、近藤正臣・国広富之『怒れ兄弟!』(日テレ)、国広富之・松崎しげる『噂の刑事トミーとマツ』(TBS)、荻島真一・夏樹陽子『手錠をかけろ!』(フジ)、そして石原裕次郎・渡 哲也『西部警察』(テレ朝) 等の刑事ドラマが新たにスタート。国広富之さんが同時期に2本の刑事ドラマに主演されてるのが驚きです。
すっかりお目にかからないけど、お元気でお過ごしだといいな・・・