☆第32話『1000万人の人質』(最終回)
(1977.11.21.OA/脚本=佐藤繁子/監督=児玉 進)
ヤクザの裏カジノから二千万円を強奪したアホのチンピラ=真(神 有介)の目的は、自分を育ててくれた孤児院が抱える借金を返済し、閉鎖の危機から救うこと。
だけどヤクザたちがそれを放っておくワケがなく、真と同じ孤児院で育った恋人=圭子(木村理恵)が狙われ、彼女を守ろうとした真はヤクザと揉み合いになり、アホだから拳銃を暴発させ、死なせてしまいます。
アホは逃走し、圭子が身代わりになって自首するんだけど、以前から彼女を知ってる高村(草刈正雄)は誰かを庇ってることを即座に見抜きます。見抜くんだけど、圭子がやってないという証拠も無いから釈放出来ない。
圭子を救いたいけど自首はしたくないアホの真は、銃砲店からライフル銃を強奪し、圭子を釈放しないと東京都民を無差別に射殺するという、アホな脅迫電話を南口署にかけて来ます。
いくらアホでもそこまでアホな事はしないだろうと思ったら、実際に街中で都民が狙撃されたから驚いた!
しかし現場近くにいた城西署の理恵(梶 芽衣子)が狙撃犯を目撃し、そのルックスとプロ並みの腕前から見てアホの真とは別人だと断言。どうやら二千万円を取り戻したいヤクザたちが、その在処を知ってるであろう圭子を釈放させる為に、アホの犯行と見せかけて無差別殺人を実行したらしい。
アホの真には出来なくても、根っから腐ったヤクザたちなら罪のない市民を何人でも殺すだろう……それを阻止する為には、やはり圭子を釈放するしかない。けど、そうすれば圭子が無事じゃ済まなくなる。一体どうすりゃいいんじゃい!?
そこで久々に登場し、圭子に変装してオトリとなる役を買って出たのが、本来ヒロインの筈がすっかりご無沙汰だった少年課婦警=青井 空(壇ふみ)。もちろんAV女優の蒼井そらさんとは別人です。
さすがは最終回、青井婦警のみならず交通課の園山婦警(沢たまき)も久々に登場、欠席しがちな「坊や」こと真田刑事(加納 竜)も参戦し、所轄外の理恵も交えてヤクザ軍団との激闘を繰り広げるのでした。
……と、これも粗筋だけ追うと燃える展開になりそうなんだけど、やっぱりそうならないのが『華麗なる刑事』なんですよね。ストーリーを引っ張る真ってチンピラが本当にただのアホで、刑事たちが命懸けで守ってやるだけの価値を感じないのが致命的。ただ、巻き込まれた恋人が七曲署のアッコであるのが唯一の救いで、彼女の存在が無ければホント空虚な最終回になってただろうと思います。
前回の風吹ジュンさんもそうだけど、'70年代のドラマや映画って、どうしょうもないバカ男と聡明な美女のカップルがやたらよく出て来て、私は当時も今も観るたびに「なんで?」って思っちゃう。現実がそういうもんなのか、あるいはチンピラやボンクラに自己投影する創り手たちの願望なのか?
それはともかく、最終回ぐらい主役の刑事たち自身、あるいはその身内に危機が迫ったり、殺されて復讐に燃えるような熱い展開が見たいのに、この番組は意図的にそういうのを避けてる気がします。やっぱり女の子向けなんですよね。
刑事たち自身には何の波乱も起きないまま、普段通りのテンションで事件解決。で、ラストシーンはなぜか新宿の街中を走るボロトラックの荷台上で、高村、南郷(田中邦衛)、理恵、空の4人がドレスアップしてステーキを食べてるというw、意味不明なシチュエーション。
これは「とにかくヘンなことがしたかった」とおっしゃる草刈正雄さんの発案で、ご自身が後のインタビューで「なんの意味もない」って断言されてますから、私に読解力が無いワケじゃないんですw
てなことで、正直なところ私はあまり面白いと思えない『華麗なる刑事』だけど、それなりに人気はあったみたいで、草刈さんを中心とした5人のチームによる『新・華麗なる刑事』という続編企画も実は挙がってたんだそうです。
恐らく翌'78年に日本テレビ系列で放映された5人の刑事によるアクションドラマ『大追跡』と真っ向対決になった筈で、それを意識しての企画なのか、あるいはそれを避けてお蔵入りになったのか、今となっては知る由もないけど、果たしてどんなメンバーが選ばれたのか(草刈さん以外は未定のまま頓挫)、観てみたかったですね。今度は男の子向けの内容で。
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