2006年の4月から7月まで、TBS系列・月曜夜8時枠で全15話が放映された刑事ドラマ。制作はTBS&テレパック。
東京の下町にある喫茶店「パンジー」を隠れ蓑にした、警視庁の特命チーム「極秘捜査課」のメンバーたちが主に潜入捜査で難事件を解決していく、非常にストレートな勧善懲悪アクションドラマ。
それもそのはず、TBSの月曜夜8時と言えば当時の「ナショナル劇場」、つまり長年『水戸黄門』を放映してきた枠で、その視聴者(主にお年寄り)層をターゲットにした番組なんですね。
だから犯人はとことん悪いヤツで、その背景にどんな事情があろうともドラマでは一切描かれません。敵の正体は序盤ですぐ判っちゃうし、どんでん返しの類いも一切ありません。
アクションドラマはそれで良いのだと思います。若い時に観れば「ベタ過ぎるやろ!」って小馬鹿にしたかも知れないけど、今となっては「いや、これでいいのだ」って思っちゃうw
葵の御紋の印籠に代わって登場するのは、旭日章が刻まれた「赤い警察手帳」と「金の手錠」で、それをクライマックスの出動時にメンバー1人1人が手に取っていく場面は『必殺』シリーズのお約束シーンも彷彿させます。
アクションはほぼ格闘技で占められており、銃器を使うのは敵から奪った場合のみ。道具の類いは最後のトドメに使う警棒ぐらいで、もちろん間違ってもぶっ殺すようなことはしません。
そういう健全さも若い頃だと物足りなく感じたもんだけど、今となっては以下省略。私もトシを取ったという事です。
課長を務める「どん亀」こと亀田 呑(かめだ どん)警視に西田敏行、二枚目の柊警部補に沢村一樹、男勝りの速水巡査部長に黒谷友香、コワモテの八重樫警部補に的場浩司、見習いの秋山に猪野 学、メカニック担当の田所警部に渡辺いっけい、長唄のお師匠さんでもある藤島監察医に余 貴美子、マネージャーを務める宮内警視正に柄本 明、という極秘捜査課のメンバーに、捜査一課刑事の金田明夫、警視総監の里見浩太朗(初回のみ特別出演)といったキャストも加わります。
言うまでもなく、ストーリーは単純でもこれだけ芸達者なメンツが揃えば、その掛け合いを観てるだけでも(少なくとも我々お年寄りはw)充分に楽しめます。
特に西田さんと柄本さんのアドリブ合戦は必見レベルだし、刑事ドラマ初レギュラーの沢村さん&的場さんの切れ味鋭いアクション、『はみデカ』の頃より板について来た黒谷さんの刑事っぷり等、見所は多いです。
視聴率も二桁で安定してたみたいだし、昨今は若い連中より年配層の方がアクション物を好むのかも知れません。なのに、2008年の劇場版『相棒』大ヒット以降、刑事ドラマは謎解きゲーム一色に染められちゃう。
面白ければ謎解きでも何でも構わないけど、それ一辺倒じゃいくら年寄りでも飽きちゃいます。たまにはこんな番組もあって良いんじゃないでしょうか?
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