NHK金曜夜10時「ドラマ10」枠で2017年春に全8話が放映された、多部未華子さん主演の連続ドラマです。多部ちゃんがNHKの連ドラに登場するのは(BSのゲスト出演を除けば)あの伝説の朝ドラ『つばさ』以来です。
小川 糸さんのベストセラー小説を、脚本=荒井修子、演出=黛りんたろう、共演=倍賞美津子、江波杏子、奥田瑛二、高橋克典、上地雄輔、新津ちせ、片瀬那奈etc…という布陣で映像化。『あやしい彼女』の倍賞さんに『サロメ』の奥田さんという、タベリスト的にはやけに楽しい組み合わせ。
しかも『つばさ』で最後の土壇場までヒロインを苦しめたラスボス=冨士眞奈美さんが初回ゲストで、またもや多部ちゃんに試練を与える役どころで登場されるのが、とても偶然とは思えませんw
シングルファーザー上地くんと新津ちせちゃんの父娘は『つばさ』の宅間さん父娘を連想させるし、江波杏子さん扮する「バーバラ婦人」は何となく吉行和子さんっぽいし、ここにサッカー選手を目指すダメ男が加わったら完全に『つばさ』ですw(乳首)
yamarine師匠もブログに書かれてましたが、内容的にもビジュアル的にも、まるで多部ちゃんの10代~20代のフィルモグラフィーを総括したような、ファンにとって(久々に)嬉しいドラマになってます。
タイトル通り舞台は鎌倉。手紙をただ代筆するだけじゃなく、差出人の気持ちになって文面の全てを一から考える「代書屋」の仕事を、亡くなった祖母から引き継ぐことになったヒロイン「ポッポ」こと鳩子の成長が描かれます。(ヒロインの名前まで『つばさ』っぽいw)
「ドラマ10」と言えば不倫の恋愛とか、主婦層向けサスペンス劇場っぽいイメージを勝手に抱いてたもんで、こんな優しく穏やかなドラマが創られるのは意外でした。
差出人の気持ちをよく理解し、言わば差出人になりきって手紙を代筆するという作業は、物語の主人公を自身に憑依させながら書く、小説や脚本の執筆にも似た作業だと思うので、私としては感情移入しやすい設定です。
人間のとても繊細な心情を描いたドラマであり、多部ちゃんの真価が久々に発揮されそうで、タベリストとしても嬉しいかぎり。全8話、じっくり味わいたいと思います。
PS. 反抗期の孫娘が、祖母と口論だけじゃ収まらず、本気で取っ組み合いの喧嘩をしちゃうシーンには笑いましたw しかも、祖母の勝ちw
なかなか見られないシチュエーションだし、多部未華子vs倍賞美津子というカードじゃないと成立しない場面だったかも知れません。
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