1984年の10月に放映された『西部警察』シリーズの最終回(3時間スペシャル)です。当時のメインタイトルは『さよなら西部警察』でした。
国際的なテロ組織「鷹の眼」と西部署「大門軍団」の死闘を描き、パリ、北海道、九州へと舞台を移し、とにかく3時間ひっきりなしにドッカン!ドッカン!またドッカン!!と、色んな物が爆発しまくりますw
人質を取ったテロリスト(原田芳雄)の要求により警察の完全撤退を命じる日本政府に楯突き、身代金を強奪し、辞職どころか死を覚悟して人質救出に向かう大門団長(渡 哲也)。
もちろん、団長の為なら喜んで命を捧げる軍団の部下たちも同行、木暮課長(石原裕次郎)も捨て身で上層部に掛け合いバックアップと、『西部警察』ならではの「燃える展開」を全て盛り込んだ、まさに総決算的な内容になってます。
さらに、団長の可愛い可愛い妹=明子(登 亜樹子)が事もあろうに、よりにもよって「ジュン」こと五代刑事(石原良純)と結婚する!という驚愕の展開も用意されており、世の中で最も強いものは「コネ」なんだというシビアな現実も描かれます。
もちろんジュンには天罰が下り、さぁこれからって時に胸を撃たれて入院するという超ダサい展開が用意され、我々視聴者は溜飲を下げますw 普通ならそこで盛り上がるんだけど良純さんの場合は笑いを誘う。撃っても撃たれてもダサい、何をやってもとことんダサい良純さん。
そしてメインイベントは言うまでもなく、大門団長の壮絶なる殉職劇。石原裕次郎さんがアドリブによる熱演で素の涙を見せてくれます。が、約20年後に団長の死は無かった事にされちゃいますw(パラレルワールドなんだそうです)
「いい大人が、サングラスなんか掛けてピストルを撃ちまくる……そりゃ照れますよ」って、渡哲也さんは自虐的にコメントされてたし、放映当時は若かった私も、半ば笑いながら観てた記憶があります。
でも今あらためて観ると、いい大人が真剣に現実離れした事やってるからこそ、胸を打たれるものがあるんですよね。これだよ、これ!って。
ドッカンドッカンまたドッカンって、軽く書いちゃいましたけど、全てCGじゃない本物の爆破ですから、撮影現場は真剣そのもの。ちょっとでも気を抜けば取り返しのつかない事故に繋がっちゃう世界です。(実際、後の復活版では新人俳優が見物客を車で撥ね飛ばし、撮影が進んでた連ドラの新シリーズがお蔵入りになりました)
近作の『CRISIS/公安機動捜査隊特捜班』なんかは本当に素晴らしいアクションを見せてくれたけど、爆破だけは残念ながらCG処理で迫力ゼロでした。そこはホントに、伝わって来るものが違う。全然違うんです。
いい大人がサングラスなんか掛けて、この日本でショットガンを撃ちまくり、スーパーマシンを乗り回す。確かに当時は子供じみて見えたけど、今となってはこれぞ本物のプロフェッショナル!って思います。
「団長、命!」ってな極道じみたスピリットだけは今でも苦手だけどw、この桁外れにスケールのでかいアクションだけは、今の若い世代にも観て欲しいと思いますね。
パート2から大門明子を演じた登亜樹子さんは、当時22歳。これがデビュー作で約2年間レギュラーを務められたけど、後に同じ石原プロのドラマ『ただいま絶好調!』第7話にゲスト出演した以外、女優としての活動はされてない模様。良純さんがダサかったせいです。
その後は本名の「登 静江」名義でタレント、モデルとして活躍されてます。
悪役商会のどなたかが、脇役をあんなに重宝してくれる現場はほかに無かった、みたいなことを何かのインタビューで語られてました。
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パート2から大門明子を演じた登亜樹子さんは、当時22歳。これがデビュー作で約2年間レギュラーを務められたけど、後に同じ石原プロのドラマ『ただいま絶好調!』第7話にゲスト出演した以外、女優としての活動はされてない模様。
私がこのドラマを観ていたころ(本放送でなく再放送です)、登さんて「演技のへたな人だ」というイメージしかなかったんですが、あらためてみると、けっこう美人だし、いい身体していますね。さすがに渡さんの妹という設定はきついですが(古手川さんもご同様)。Wikipediaに
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%83%A8%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9#%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96
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演じる古手川祐子は当時新人女優であったが、石原プロが第2シリーズ以降の出演依頼を出すタイミングを逸したため、その後は無名の登亜樹子が演じる事になり
とあり、それはもちろんそうですが、Wikipediaに「無名」とあからさまに書かれてはちょっとかわいそうだなと思ってしまいました。
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「いい大人が、サングラスなんか掛けてピストルを撃ちまくる……そりゃ照れますよ」って、渡哲也さんは自虐的にコメントされて
ご存じかと思いますが、柴俊夫氏は、
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「渡さんに『荒唐無稽の番組ですが、ひとつ協力してください』と言われて出ることにしました。
撮影初日から物凄い量の火薬が使われて運転したり拳銃を撃ったりするものだから、芝居どころではなかったです。僕はアクション俳優でないから、そういう現場ってあまり知らなかったんです。でも、こういう純粋に楽しませる作品というのも大事だと思って、楽しみました。
石原プロって体育会系のイメージがあるので、渡さんに『柴』とか『柴君』とか呼ばれるのかと思ったのですが、『柴さん』なんですよ。ですから、僕もたとえ年下でも出ている連中はみんな『さん』付けで呼びました。『舘さん』『峰さん』って」
https://www.news-postseven.com/archives/20180114_641343.html?DETAIL
と語っていますね。いろいろ渡氏も、我慢しているところはあったのだろうなと思います。