さて、この最終回スペシャルは、さすが最終回でスペシャルなだけあって、ゲスト出演陣がとても豪華でした。
国際テロ組織「鷹の眼」のリーダーに原田芳雄、メンバーに中村晃子、小林稔侍、倉田保昭、黒部 進、深水三章etc。
そして警察関係者に宝田 明、小野武彦、TVキャスターに武田鉄矢、人質となる政府要人に山村 聰、といった顔ぶれ。
このメンバーだけで刑事ドラマが創れちゃいますよねw 原田芳雄さんが大門団長(渡 哲也)で、宝田 明さんが木暮課長(石原裕次郎)のポジション。小野武彦さんは元々『大都会』シリーズのレギュラーだったし。
テロリストのリーダー役は当初、『大都会 PART II』でレギュラーを務めた松田優作さんにオファーされたそうで、優作さんは「フィクションとは言え渡哲也さんを殺す役は出来ない」と固辞されたんだとか。
それは半分建前で「今さら荒唐無稽な刑事物はやりたくない」っていうのが本音だったろうとは思いますが、優作さんが渡さんに心酔されてたのは事実みたいです。
そんな優作さんの兄貴分だった原田芳雄さんが代役を引き受け、後の『ゴリラ/警視庁捜査第8班』初回スペシャルでもテロリストを演じられましたが、やっぱ圧倒的な迫力と存在感がありますよね。
平成復活版『西部警察SPECIAL』のテロリストは神田正輝さんでしたが、ちょっとムリを感じました。貫禄うんぬんよりも、こういう役には野性味が絶対不可欠で、そういう意味でも神田さんは裕次郎さん寄りの役者さんだと思います。裕次郎さんにもテロリストは似合いませんから。
舘ひろしさんは意外とこういう悪役をやられてないですよね。テロリストに定年は無いでしょうから、是非いっぺん観てみたいです。
ところで、優作さんは「渡さんを殺す役は出来ない」との理由でオファーを断られたワケだけど、実際に団長を殺したのはテロリストのリーダーじゃなくて、その愛人らしき女(中村晃子)だったりします。
確かに原田さんの弾丸を浴び、さらに爆発の衝撃も受けて団長は満身創痍だったけど、トドメの1発を浴びせたのは中村さん。その直後、怒り狂った団員たちに蜂の巣にされちゃいますけどw
中村晃子さんは当時36歳。『虹色の湖』や『砂の十字架』等のヒット曲を持つ歌手のイメージが強いけど、元々は松竹映画でデビューし、田村正和さんとのコンビで売り出された女優さん。
刑事ドラマは他に『七人の刑事』と『特捜最前線』にゲスト出演。'90年代は主戦場を舞台演劇に移し、声優としてもファラ・フォーセットやウーピー・ゴールドバーグ等の吹替えで活躍されました。
中村晃子さん、顔にちょっと藤田三保子さんが入っている感じでしょうか?
最近、「ベルサイユのトラック姐ちゃん」というドラマをYouTubeの配信で見ているのですが、中村さんが夢見がちな花屋の店員さん演じています。
あそこからどうなったら大門にトドメを刺すテロリストになるのか…
あと、中丸忠雄氏。自分は「西部警察」を見た後に「Gメン'75」での結城警視正役を知ったのですが、嫌な感じのお偉いさん役がハマっていますね。