ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『刑事犬カール』#15

2020-02-22 00:00:19 | 刑事ドラマ'70年代










 
『刑事犬カール』は1977年9月から1978年6月まで、TBS系列月曜夜7時半からの30分枠「ブラザー劇場」で全39話が放送された、木之内みどり主演による刑事ドラマ。制作は渡辺企画&東京映画&TBS。

ブラザー劇場と言えば『刑事くん』や『コメットさん』を放映してた枠で、思えばそういう少年少女向けの実写ドラマって(特撮ヒーロー物を除けば)すっかり無くなっちゃいましたね。

昭和の子供向け番組って、30分枠に収めなきゃいけないせいもあるでしょうけど、脚本がすこぶる強引でツッコミどころ満載w 今となってはそこが一番の見所かも知れません。

なお、1981年には坂上味和主演による続編『刑事犬カール ll 』全24話、1991年には単発2時間スペシャルのリメイク版『刑事犬カール/瀬戸内の追跡』が松下由樹主演で放映されてます。


☆第15話『オカリナが聞こえる』(脚本=千野晧司/監督=湯浅憲明)

冒頭、凶悪強盗犯の逮捕に駆り出された警察犬カールが大活躍し、刑事部長賞として表彰状と金一封が贈られることになります。
 
強盗犯1人を逮捕するのにいちいち警察犬を使うの? 犬に金一封? 等々、早速ツッコミどころ満載ですw

そしてある日、警察犬第三訓練所でカールの訓練士を務める高杉洋子婦警(木之内みどり)は、もしカールと離れ離れになっても自分の居場所が判るようにと、オカリナの音色とメロディを記憶させます。

何もそんな事させなくたって、オカリナの音が聴こえる距離なら匂いで判るだろうし、音で判別させるにしても肉声を聴かせた方が確実なのでは?って思うんだけどw、視聴者=子供たちがふだん使ってるアイテムをドラマに活かそうっていうコンセプトなんでしょう。

で、そんなわざとらしい布石を置きつつ、洋子は母親の七回忌で金沢の実家へ帰ることになり、その間だけ先輩刑事で仲良しの大島(加納 竜)がカールの面倒を見ることになります。

洋子の留守中、大島刑事が勝手に訓練しようとするもカールが全然言うことを聞いてくれない、っていうギャグシーンが延々と続くのもまたツッコミどころ。正味20分しか無い番組なのにw

とはいえ、カール&大島刑事の関係が、カール&洋子の関係ほど固い絆で結ばれてないっていう事実を、ここで見せておく事には意味があるんですよね。

冒頭で捕まった強盗犯が護送中に脱走し、所轄がカールの出動を要請して来たもんで大島刑事が連れていくんだけど、大島がカールの鼻を信じなかったために犯人を取り逃がしちゃう。これはなかなかの大不祥事なのでw、第三訓練所を取り仕切る村上所長(神山 繁)がカンカンになって怒ります。

「犬に口を聞けって言うのか? 犬は正直な動物だ。人間と違って絶対に嘘はつかん。犬を信用しないで何が出来るんだっ!?」

一方、実家に帰った洋子は独り暮らしの父=修平と久々に再会します。修平を演じるのは『太陽にほえろ!』の長さんこと下川辰平さん。忙しい合間を縫ってのセミレギュラー出演です。

「お前の着物姿、母さんそっくりだな。襟足のところなんかお前、こう……」

さすが、こういう芝居をやらせたら下川さんの右に出る者はいません。飾り気が無くて温かいお人柄が一挙手一投足から滲み出てます。

「母さん。洋子は母さんが死んだ時、ビービー泣いてばかりいて、この先どうなるのかと心配させたけど……こんなにいい娘になりましたよ。俺もあと一息……あと一息頑張りますよ、母さん」

仏壇に向かってそう語りかける演技だけでホロッとさせられます。

そしてその頃、第三訓練所では村上所長のデスクの電話が鳴り……

「えっ、ホシが新しい犯行を? どっかで手に入れた拳銃で脅して、現金30万円を奪って逃走しただと?」

電話で聞いた内容を反復して視聴者に知らせる説明演技も昭和ドラマのお約束。にしても所長、どっかで手に入れた拳銃って、なんと大雑把なw

今度こそ汚名返上!とばかりに大島刑事がカールを連れて急行しますが、今度は脚を撃たれて負傷という体たらく。もちろん犯人は逃走し、それを追って行ったカールまで行方不明になっちゃう。『華麗なる刑事』の坊やといい『西部警察』のリュウといい、事態をより悪化させるドジ刑事を演じたら加納竜さんの右に出る者はいませんw

「どうしてもっと早く電話して教えてくれなかったの!」

東京に戻るなり弟の進からカールが行方不明だと聞かされ、洋子は大いに動揺します。

「だって、せっかくの休暇だし……」

進を演じるのは『ケンちゃん』シリーズで一世を風靡した名子役=宮脇康之さん。なんとお懐かしい!

すぐに出動した洋子は、例のオカリナを吹きながらカールを探し回ります。この広い東京で、アテもなく闇雲に探したところで見つかる筈が……

「ワンワンワン!」

見つかりましたw

「えっ、犯人がいるの?」

「ウン!」

いやいやホントに、カールは確かに「ウン!」って言ってますw あらゆる鳴き声を録音して、そう聴こえるバージョンをアテレコしたんでしょう。

かくして、洋子&カールは見事なコンビネーションで、凶悪強盗犯を再び逮捕します。カールは確かに凄い。けど、その力は訓練士との固い絆があって初めて発揮される。つまり、洋子がいてこその刑事犬カールなんだ、っていうお話でした。

ツッコミどころは色々あるにせよ、番組のテーマと各キャラクターの役割を的確に示した、非常にウェルメイドなストーリーだと思います。

それより何より、木之内みどりさんがホントに可愛い! 当時20歳で、歌手デビューから4年目。レコードはいまいち売れなかったけど、'77年の映画『野球狂の詩』実写版と本作『刑事犬カール』の主演で一気に知名度を上げられ、当時まさに人気絶頂期。

ところがこの翌年、ミュージシャンとの不倫恋愛で騒動を起こし、電撃引退。そのミュージシャンが最初の夫で、離婚後、竹中直人さんと結婚されることになります。
 

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「この素晴らしい世界」

2020-02-21 16:46:44 | 日記

 
気象に異常は無いし、疫病は流行らないし、景気はうなぎ登りで格差も無く、アジア諸国との外交もすこぶる順調、戦争が起こる気配は微塵も無く、この素晴らしい世界はまだまだ安泰ですね!

だから桜を見る会についてはあと2~3年かけて追及しないといけないし、芸能人の不倫や裏営業は1つ残らず暴露し、皆で寄ってたかって吊し上げないといけません。平穏安泰で明るい未来しか想像できないこの世の中で、そんな事があっちゃ絶対ならんのです!

気がつけばもうすぐ3月。あっという間に今年も6分の1を消化しちゃいました。どうしますか、森若さん?
 

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『私刑人/正義の証明』2020.2.9

2020-02-18 22:18:19 | 刑事ドラマ2000年~










 
2020年2月にテレビ朝日系列の2時間枠「日曜プライム」で放映された単発ドラマ。原作は森村誠一さんの小説『正義の証明』で、2011年にもTBSで2時間ドラマ化されてます。

法の網をかいくぐる悪党に私的に正義の制裁を加える「私刑人」と、それを追う刑事との死闘を描いたストーリーで、主役は刑事の側。それを2011年版は吉田栄作さん、今回はテレ朝ドラマ初主演となる遠藤憲一さんが演じておられます。

主人公=松永刑事は元SPで、政治家(竹中直人)を護って私刑人に撃たれ、生死をさまよったにも関わらず、政治的な措置によりその事件が隠蔽されたという苦い過去がある。

で、数年経ってその政治家が与党の総裁候補になり、と同時に私刑人も活動を始めたもんで松永は対策チームに呼ばれるんだけど、やはり政治絡みの事件で愛する家族を奪われた私刑人や、彼に協力する元同僚刑事(北村有起哉)と対峙する内、松永自身が奥底に秘めて来た巨悪への怒りがついに爆発し……

結局、政治家に銃口を向けるも相棒刑事(長谷川 純)に阻止され、その後はタクシードライバーに転職した松永だけど、もしかすると第2の私刑人になるつもりかも?っていう含みを感じさせる締めくくりでした。

ネタバレになるけど私刑人を演じたのは光石研さん(2011年版は横山めぐみさん)でした。ほか、内山理名さん、酒井美紀さん、清水由紀さん、浅野和之さん等が脇を固めておられます。そしてセクシーショットは政治家=竹中直人さんの娘を演じられた沢井美優さん。オールスターズ・オブ・バイプレーヤーとでも呼ぶべき顔ぶれです。

このテの「自警団もの」も数多く創られて来たので、なかなかオリジナリティーを出すのが難しいと思うんだけど、本作の場合は私刑人を追う刑事を主役にし、彼がダークサイドに引き込まれていくドラマを縦軸に据えた。つまり善人イメージが定着して来たエンケンさんを本来の姿に戻す、というのが本作ならではの狙いだった……のかも知れませんw

派手なアクションがあるワケじゃなく、スリル満点という内容でもないから大きな話題にはならないだろうけど、職務と私憤との狭間で葛藤する刑事の姿には『太陽にほえろ!』のDNAが色濃く感じられて、私は好きです。
 

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『劇場版 仮面ライダー電王&キバ/クライマックス刑事』

2020-02-17 13:47:53 | 特撮ヒーロー










 
2008年春に東映系で公開された『仮面ライダー電王』の劇場版第2弾で、当時放映中だった『仮面ライダーキバ』とのコラボ作品。

平成ライダーシリーズは基本的に1本1本が独立した世界観で繋がりが無いんだけど、今回をきっかけに劇場版ではコラボが定番化し、昭和ライダーやスーパー戦隊シリーズとのクロスオーバーまで実現していく事になります。

仮面ライダー電王に変身する主人公=野上良太郎に扮したのは、今やすっかり主演級スターの佐藤健くん。仮面ライダーキバの瀬戸康史くんとの共演は今のところ本作が唯一じゃないかと思われます。

もちろん、このブログで取り上げたのは『~アギト』に続いて『~電王』にもレギュラー出演されてた、オシリーナこと秋山莉奈さんと、『~キバ』のヒロインであるコイケリーナこと小池里奈さんという、我々オシリストには見逃せないお二人が共演されてるから。(残念ながら出番は別々だったけど)

その割りに今回のセクシーお尻ショットはオシリーナでもコイケリーナでもなく、野上良太郎の姉=愛理を演じられた松本若菜さん。ライダーシリーズはセクシーお尻の宝庫なんです。

さて、お尻はともかく映画の内容ですが……

平成ライダーシリーズも『電王』で8作目となり、2作目の『アギト』から約6年を経て随分と様変わりしました。

『アギト』の時点で仮面ライダーが3人いたワケですが、この『電王』まで来ると登場キャラクターがあまりに多すぎてガチャガチャしてるしテンポは早すぎるしで、もはや昭和世代はついて行けませんw

どうやら人間に憑依する能力を持った侵略者「イマジン」たちの中にも味方が数人いて、仮面ライダー電王も味方のイマジンに憑依されることによって強くなり、個性豊かなイマジン達のうち誰が憑依するかによって性格まで変わっちゃう。

……っていう設定を事前に知らなければ何が何だかワケが分からず、いちげんさんは完全に置いてけぼり。最近のライダー映画はだいたいそうですよね。

基本的にTVシリーズのファンを対象に創られた映画だからそれで構わないんだけど、例えば前回レビューしたアギトの『PROJECT G4』みたいに、独立したSFアクション映画として誰でも楽しめるような普遍性が無いのは残念に思います。

そこには眼をつむっても、やっぱりTVゲーム的な内容や商品展開ありきの変身グッズ、ホストクラブ的なキャスティング、それら全部ひっくるめてポップすぎる世界観など、昭和世代には馴染めない要素があまりに多く、もはや我々は「対象外」になったことを痛感させられます。そりゃもう孫がいてもおかしくない年齢だから当たり前なんだけどw

なので、そこを批判するのは全くのピント外れ。現在の特撮ヒーロー物はそういうもんだっていう前提で、その中でもこれは斬新だとかオシャレだとかで評価するしかない。

私個人としては、味方のイマジンたちがもし人間の姿をしていたら、チームで戦うスーパー戦隊シリーズとあまり変わんないような気がして、これはもはや仮面ライダーとは言えないのでは?っていうのが正直な感想。時空を行ったり来たりする「電車」を舞台にした世界観もかなりスーパー戦隊シリーズに寄ってると私は感じました。

だけど、それはそれ、時代の流れとして受け止めれば、その変わりようこそが面白いとも言えます。なぜ仮面ライダーまでもがポップにならざるを得ないのか、今の子供たちがヒーローに何を求めてるのか、それを分析しながら観るのも一興かも知れません。

とはいえ、世界中の老若男女を夢中にさせたアメコミヒーローの映画群に比べて、日本のヒーロー物(に限らず全ての映画もTVドラマも)は観客層を限定しすぎなんじゃない?とも思います。

2020年、米国アカデミー賞で韓国映画がついに作品賞を獲ってしまい、日本の映画人たちは大いに嫉妬してるそうだけど、そりゃ最初からワールドワイドな作品創りをしてないんだから出し抜かれて当然です。

あまりに「いちげんさんお断り」な最近のライダー映画に、そういった問題点が集約されてるような気がします。そこを批判するのはピント外れだと言いながら、あまりに目先の商売しか考えてないように見える製作姿勢には、やっぱり疑問を感じずにはいられません。
 

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『劇場版 仮面ライダーアギト/PROJECT G4』

2020-02-15 11:55:09 | 特撮ヒーロー










 
2001年秋に東映系で公開された、平成『仮面ライダー』シリーズ初の劇場版で、東映創立50周年記念作品・仮面ライダー30周年記念作品でもあります。監督は田崎竜太さん、脚本は井上敏樹さん。

伝統的に仮面ライダーの映画って、歴代ライダー揃い踏みとかスーパー戦隊とのコラボなど、良くも悪くも徹底した「お祭り」なんだけど、この作品はひと味違ってます。

もちろんアンノウン(怪人)が大群で押し寄せたり(お化けゴキブリかと思ったらアリがモチーフなんですねw)、本作限定の仮面ライダー「G4」が登場したりとイベント要素はいくつもあるんだけど、そういうことを抜きにしても1本のSF怪奇アクション映画として存分に楽しめる作品になってます。

自衛隊の管理下にあった超能力開発研究所がアンノウンの大群に襲われ、かろうじて脱出した子供2人=紗綾香(木村 茜)とレイ(大高力也)がそれぞれ街をさ迷うことになります。

で、予知能力のある紗綾香が翔一(賀集利樹)を交通事故から救ったことで美杉家の新たな居候となるんだけど、彼女を追って来た自衛隊のマッド・サイエンティスト=深海一等陸尉(小沢真珠)に真魚(秋山莉奈)が眼をつけられてしまい、拉致され、磔にされて、あんな事やそんな事をされちゃいます。

深海一等陸尉がなぜ真魚を拉致したのか? それは、彼女が紗綾香を凌ぐほどの強い超能力の持ち主だから。

じゃあなぜ、深海一等陸尉は超能力者を欲しがるのか? それは、究極のリーサル・ウェポン(人間兵器)とも言える「G4」を完成させる為に必要だから。

かつて警視庁G3ユニットのリーダー=小沢警部(藤田瞳子)が開発したG4システムは、装着する者に負荷がかかり過ぎてその生命を奪ってしまう為、封印したにも関わらず深海一等陸尉が設計図を盗み出し、極秘裏に完成させてしまった。

G4を装着するのは自衛隊の水城三等陸尉(唐渡 亮)なんだけど、その潜在能力を最大限に引き出す為に真魚のサイキックパワーが必要となるワケです。よく解んないけどそういう設定なんですw

かくしてG4は起動してしまう。G3の進化形「G3-X」を装着することで格段に強くなった我らが氷川刑事(要 潤)は、水城三等陸尉の身を案じてG4の装着をやめさせようとするんだけど、そんな氷川を水城は「甘い」と言います。

「生への執着がある限り、充分な戦いは出来ない」「俺は死を背負って戦っている」「死を背負うことこそ、我々の使命だ」

……っていうのが水城の主張。その話を氷川から聞いたアギト=翔一は「嘘臭いです」「生きるってことは、美味しいってことじゃないですか?」と、ワケの分からないことを言い出しますw

「キャベツを食べても大根を食べても美味しいです。もしかしたら何も食べなくても美味しいです。死を背負ったりしたら、不味くなります」

ワケは分かんないけど何となく翔一に共感した氷川は、水城を救う為にもG4と戦う覚悟を決めるのでした。

「僕は彼(翔一)のようにはなれないし、あなた(水城)のようにもなれない。中途半端です。でも、これだけは言えます。僕は生きるために戦う。生きることを、素晴らしいと思いたい!」

しかし前より強くなったとは言え、サイキックパワーを得て究極となったG4にはやはり歯が立たず、G3-Xはまた例によってフルボッコにされちゃいます。

ここで両者の生みの親である小沢警部が、とんでもない指令を氷川に下すんですよね。

「G3-XとしてG4と戦っても勝ち目は無いわ。氷川誠として戦いなさい!」

それで氷川は、ライダーマスクを外してG4に立ち向かう。よく分かんないんだけどw、つまり気持ちで戦えって事なんでしょう。果たして死を覚悟した者が強いのか、それともあくまで生きようとする者が強いのか?

結局、システムの負荷に耐えきれなかった水城が自滅しちゃうんだけど、そこまで追い込めたのは氷川の生きようとする強い気持ちがあればこそ、なんだろうと思います。

恐ろしいことに、装着者の水城が息絶えてもなおゾンビのごとくG4は動き出すんだけど、そこで氷川がとどめの弾丸を浴びせるんですよね。「もういいだろうっ!!」っていう悲痛な叫びと共に。

その瞬間、この映画は完全にG3-X=氷川刑事が主役になりました。何より生きることが大事なんだ、生きようとする者こそが強いんだっていう創り手のメッセージを、彼が体現して見せたワケです。

いやぁ氷川刑事、カッコ良くなりましたね! 私はもう、すっかり要潤さんのファンになりました。

本来の主役であるアギト=翔一は今回、真魚が拉致されたことで彼女との絆をより強く意識したみたいだし、3人目のライダー「ギルス」に変身する涼(友井雄亮)はエスパー少年=レイと友情を育んだりしたけど、あくまで作品の彩りに過ぎませんでした。

この劇場版のストーリーはTVシリーズ企画時から想定されてたらしいし、思えば第1話もこの映画も、最初に登場するのは氷川刑事=G3でした。主人公はあくまで翔一=アギトだけど、創り手たちの思い入れが一番強いキャラクターは氷川なのかも知れません。

あと、今回(私はTVシリーズを第4話までしか観てないので)初めて眼にすることになった3人目のライダー「ギルス」もまた、野性味が溢れ過ぎてて魅力的です。いきなり腕をちょん切られて、そこからカマキリみたいな腕が生えて来るのには大変驚きましたw すっかりポップ化して来た令和のライダーシリーズじゃ考えられない血なまぐささです。

世界観そのものがハードかつリアルで、平成シリーズの初期は我々世代(つまり昭和ライダーを観て育った男子)に向けて創られてるように感じます。

最近のシリーズはヤングママ向けなんだろうけど、やがて今の子供たちが大人になった頃にはまた、この『アギト』みたいな尖った作風に回帰するのかも?

同じキャラクターを扱った作品でも、時代によって内容が大きく変わっていくから面白い。今後もライダーやウルトラマンには注目していきたいと思ってます。

PS. 本作には警視総監役で藤岡弘さんも特別出演。最近はライダー映画にも度々出演されてますが、当時としては画期的だった事と思います。 

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