屯田物語

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詩集「四季の風」夕愁白嶺<願い>

2022年04月17日 | 四季の風
<願い>

詩は水でありたい
心の渇きを潤す水でありたい
悔恨に 涙に不純に汚れに
乾涸びた熱砂のごとき
一点の緑もないかさかさの心に
希望と夢と純潔と清新を
生々と蘇甦らせる
詩は水でありたい

詩は雨でありたい
歓喜を雪ぐ雨でありたい
たとえば雨上りの大気のごとき
さわやかな湿りの中に
しかも大きな虹のごとき
心と心の結びの中に
そして心地よい感触を呼ぶ
詩は雨でありたい

詩は泉でありたい
新鮮な血潮の泉でありたい
生命の躍動と活動
清澄な魂の誕生
こんこんと湧き出す未来を
溢れるばかりに掬わせて
野心と抱負をいだかせる
詩は泉でありたい

詩は細流でありたい
懐かしい調べの細流でありたい
春の日の恋歌
夏の日の童歌
秋の日の溜息
冬の日の独言
人生の四季を歌う
詩は細流でありたい

詩は大河でありたい
生生流転の大河でありたい
七転八起人生を歩き
幸福の道標を尋ね
渦巻と激流の人生を
漕ぎ分け乗り越える
闘志と忍体をもたらす
詩は大河でありたい

詩は汀でありたい
優しい感傷の汀でありたい
あしたに ゆうべに 春秋
潮騒も 潮風も
海草も 貝殻も
朝千鳥 夕千鳥
揺り籠の波の唄
詩は汀でありたい

詩は海でありたい
広大な心の海でありたい
蒼々と理想の深く
悠々と物に動ぜず
哀傷と 怒号 と 不安に
慰めと 微笑 と 信頼を
雄大な愛と信仰の彼方
詩は海でありたい

時は童でありたい
素直な無邪気な童でありたい
欺瞞も 偽善もなくて
真実と 真意に満ち

苦悩も 煩悩もなくて
健康と 友愛に富み
元気に飛廻る
詩は童でありたい