詩集「四季の風」夕愁白嶺<子供等と麦畑> 2022年04月16日 | 四季の風 <子供等と麦畑> 五月晴なる昼下り 麦藁帽子に陽を受けて 新緑の息吹きうち悶う 麦の穂の畑中を 子供等と穂を撫で撫で 菫 蒲公英 摘草に 花輪あみ 飾りつけ 彼方此方追いつ追われつ 子供等と畑中の戯れ 麦の穂はふさふさと 子供等の黒髪のごとく 波打ちて傾きぬ 畑中の草笛に 眩しき子供等の顔 草笛の細かに鳴りて その節は楽しき 畑中の道のかたすみ 名も知らぬ野花一群 愼ましき薄化粧に 咲くもよし麦の小影 暖かき五月の陽射しに 麦は緑にもえ上がり 子供等の頬染みて きらきらと汗の小粒は 銀色に輝きぬ