屯田物語

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詩集「四季の風」夕愁白嶺<さつき>

2022年04月10日 | 四季の風
さつき

五月雨の煙る庭石の横に
薄紅紫のさつきは咲きぬ
しとしとと霧雨に濡れて
冴え渡るさつきの肌色
心よい雨のなびきに
清々しき湿りの感触
朝明けの豆腐売り
牛乳屋の壜の音
さびさびと涼しき思い
肩ほどの竹垣沿いに
好しき朝の散歩
下駄ばきの素足にかかる
ひんやりと冷えた雨
誘はれしさつきの肌にか
朝早きさつきのあやな