屯田物語

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通 夜

2020年01月09日 | 春を呼ぶ朝


大村正次著「春を呼ぶ朝」―神様に召される前
―逝ける妹ふさ子の霊に捧ぐ―

  通 夜

―それは死ぬ直ぐ前の日曜のこと
 ふと寝てゐた頭をもたげ
 今日 兄さんが歸られぬかしら
 しきりにいただよ。
 (おゝ 今朝けさから竈の火がぼうぼう云ふから歸るかもしれん)
 煮えた重湯を下ろしながら母は答へただよ。
 あの子はよろこんで寝たよ。



 高村光太郎

あなたの詩をはじめてよくよみましたが。今朝秋晴の中で十五頁までよみ、この生きた心の匂につゝまれました。もっとよみ味ひたいと思ってゐます。

 杉江重英 (←クリックで人物紹介)

「神様に召される前」四編はいづれも肉親の死の前後をうたつたものであるが、この四編はどれもよい。
中でも「通夜」「八文字柿」「神様に召される前」は特によいものだ。



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